主に細幅鍵盤の事を、個人的な戯言を交えながら徒然なるままに書いているブログです。このブログの趣旨をまとめていますので、初めてお越しの方は、宜しければカテゴリ欄の「記事の概要」をご一読ください。
08 * 2017/09 * 10
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
08/15
手のサイズとピアノ関連の痛みや傷害のつながりを示す疫学的調査、人間工学と生体力学に基づいた原理、細幅鍵盤と標準鍵盤の使用に関する比較研究など - ALTERNATIVELY SIZED PIANO KEYBOARDS(和訳)
2016年の終わり頃に、細幅鍵盤関連の英語サイト、ALTERNATIVELY SIZED PIANO KEYBOARDS内が大幅に編成し直されました。
それに伴い、このブログでもこの英語サイトの和訳記事の内容を編成し直しています。
そのため項目があちこち移動していますが、内容自体は以前とあまり変わりませんので、何卒ご了承ください。

このページでは、『Pain, injury and performance quality』という項目の和訳記事を掲載しています。

※ この翻訳文の元となる英語サイトの更新に伴い、翻訳文も2017年7月13日に更新しました。




Pain, injury and performance quality
痛み、傷害、および演奏の出来栄え

Hand size as a risk factor in pain and injury among pianists
ピアニストの間の痛みや傷害における危険因子としての手のサイズ

Evidence from the disciplines of ergonomics and biomechanics
人間工学と生体力学の分野からの証拠

Results of comparative studies involving reduced size keyboards
縮小された鍵盤を対象にした比較研究の結果

Performance quality
演奏の出来栄え



ピアノに関する健康という観点から得られる縮小された鍵盤(※)の必要性を裏付ける証拠は急速に増大しており、以下の主な3つの調査タイプから導かれています。

  1. 手のサイズとピアノ関連の痛みや傷害のつながりを示す疫学的調査。
  2. 人間工学と生体力学に基づいた原理。
  3. 縮小された鍵盤と標準鍵盤の使用に関する比較研究。

一流レベルのピアノコンクールの結果もまた、最上級のレベルにおいて、広範な曲目にわたって成功を収めるのに十分な大きさの手のスパンを持つ男性に比べて女性が遥かに少ないという説を裏付けています。

 別称、Ergonomically Scaled Piano Keyboards (ESPKs)
   (人間工学的にスケーリングされたピアノ鍵盤)

『40年間ずっと、私はピアノでの演奏関連の障害を防ぐ方法の把握のために私のキャリアを捧げてきました。最善の骨格調整や効率的な筋肉の使い方といった、優れた運動神経を象徴するものが私のモットーでした。唯一の問題は、もしあなたが手の小さいピアニストであれば、オクターブや大きな和音に「最適に」合わせるのは不可能だということです。私たちがそれらのパッセージをフォルテやフォルティッシモで弾く度に、私たちのテクニックがどんなに効率的であっても障害のリスクを高めてしまいます。その過大なエネルギーが過伸展の状態で繰り返し小さな関節にかけられると、それらはただ時間とともに磨り減っていくのです。筋挫傷や伸筋腱炎もまた、高頻度の副産物です。』
バーバラ・リスター=シンク博士(Dr Barbara Lister-Sink)、ノースカロライナ州、セーラム・カレッジ(Salem Collage)、音楽学校の教授および校長。

 
Hand size as a risk factor in pain and injury among pianists
ピアニストの間の痛みや傷害における危険因子としての手のサイズ

ピアノ関連の痛みや傷害における危険因子の可能性としての手のサイズに焦点を合わせている、ピアノを演奏するにあたっての手のサイズに関連した文献の多くがパフォーミングアート医学の分野にあります。
1980年代と1990年代の間に公開された多くの疫学的調査は、ピアニストだけでなく、むしろ様々な演奏家を取り上げています。痛みや傷害の推定原因が、テクニック、練習の時間や程度、姿勢、および遺伝的要因であると確認されています。
男性に比べて女性がおよそ50%多く罹患していることから、女性が偏って影響を受けており、リスクを負っている人たちの中で最も多い鍵盤奏者であると考えられます。いくつかの研究によって、70~80 %の女性ピアニストが、人生のある時期に演奏関連の痛みや傷害を患っていることが判明しています。

酒井氏(1992年)は、ピアノの演奏が原因となって生じる手や前腕の痛みを示すピアニストの臨床研究を行いました。彼は、手のサイズがピアノ関連の痛みや障害の危険因子である可能性があり、アメリカ人やヨーロッパ人と比べて、日本人のピアニストが不利な立場に置かれている可能性があることを示唆している筆頭著者の1人でした。
後(2002年)に酒井氏は、彼の以前の調査結果を確認し、(手首に順番に影響を及ぼす)親指と小指の過外転(中性点位置を離れた最大の動き)に、オクターブと和音の演奏が影響を及ぼし、ドケルバン病や他の酷使による問題を引き起こす可能性に注目している、200人の日本人ピアニストに関する大規模な臨床研究について報告しています。

10年程前、ピアニストに関する疫学的調査(例えば、デ・シュメット氏およびその他(1998年)、ファリアス氏およびその他(2002年)と、シールズ氏およびドックレル氏(2000年))は、ピアノ関連の痛みや傷害において、手のサイズを考え得る危険因子と見なすようになりました。
ピアノ関連の障害に関する文献に対するピーター・ブラッグ氏の批判的な論評(2005年)以降、傷害におけるピアノ関連の痛みの危険因子に関するさらなる調査が公表されています。

芳村氏およびその他(2006年)は、大学生の間での痛みや幾つかの独立した演奏関連および人体測定学的変数を調査し、ピアノ関連の痛みと、一般的な『サイズ/強さ/速度』の危険因子の統計的に有意な関係を立証しています。手のサイズと、特に中指から薬指のスパンが、この危険因子の範囲内に含まれています。ピアノ教師を対象にした同様の研究(芳村氏およびその他、2008年)の結果は、手のサイズや強さ、および痛みの間の因果関係を裏付けています。
ブルーノ氏およびその他(2008年)は、ピアノを専攻する学生の間の筋骨格障害の症例対照研究調査をイタリアで実施しています。上肢の疾患と手のサイズの間の統計的に重要な相関関係が多変量解析によって判明しています。

酒井氏の最新の研究(2010年)は、親指の過外転や伸展が、手の小さいピアニストの側部の上顆炎、前腕伸筋の痛み、およびドケルバン病を引き起こす恐れがあることを示しています。

(ピアニストを含む)若手楽器演奏家の間の痛みや傷害に関する最近の研究(レイネリー氏およびその他、2011年)は、子どもが成人と同様に罹患する恐れがあることを指摘しています。

この文献の2008年までのより包括的な報告に関しては、ボイル & ボイル(2009年)をご参照ください。

References
参考文献

Allsop, L., & Ackland, T.(オルソップ・L、& アクランド・T)(2010年)
The prevalance of playing-related musculoskeletal disorders in relation to piano players' playing techniques and practising strategies.(ピアノ奏者の演奏テクニックと練習の対応策に関連する演奏関連筋骨格疾患の有病率。)
Royal Northern College of Music王立ノーザン音楽大学), Music and Health(音楽と健康), 3 (1), 61-78.
http://mpr-online.net/Issues/Volume%203.1%20Special%20Issue%20[2010]/Allsop%20Published%20Web%20Version.pdf#search='Music+and+Health+The+prevalance+of+playingrelated+musculoskeletal+disorders+in+relation+to+piano+players%27+playing+techniques+and+practising+strategies.'

Blackie, H., Stone, R., & Tiernan, A.(ブラッキー・H、ストーン・R、& ティアナン・A)(1999年)
An investigation of injury prevention among university piano students.(大学のピアノ科の学生の間の傷害の予防に関する調査。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 14, 141-149.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1095&article=1052

Boyle, R., & Boyle, R.(ボイル・R、& ボイル・R)(2009年)
Hand size and the piano keyboard.(手のサイズとピアノの鍵盤)
Literature review and a survey of the technical and musical benefits for pianists using reduced-size keyboards in North America.(文献調査及び縮小された鍵盤を使用する北アメリカのピアニストの技術的・音楽の利点に関する調査。)
Proceedings of the 9th Australasian Piano Pedagogy Conference, Sydney, Australia.(第9回オーストラレーシアピアノ教育学会議の議事録、オーストラリア、シドニー。)
http://www.appca.com.au/2009proceedings.php

Bragge P., Bialocerkowski, A., & McMeeken, J.(ブラッグ・P、ビアロサコフスキー・A、& マクミーケン・J)(2006年)
A systematic review of prevalence and risk factors associated with playing-related musculoskeletal disorders in pianists.(ピアニストの演奏関連筋骨格疾患と関連する有病率と危険因子の系統的調査。)
Occupational Medicine(職業病医学), 56 (1), 18-27.
http://occmed.oxfordjournals.org/content/56/1/28.full

Bragge P., Bialocerkowski, A., Holtham, I., & McMeeken, J.(ブラッグ・P、ビアロサコフスキー・A、ホルサム・I、& マクミーケン・J)(2006年)
Piano teachers’ perceptions of risk factors associated with injuries in elite pianists.(一流ピアニストの傷害と関連するピアノ教師の危険因子に対する認識。)
Australian Journal of Music Education(オーストラリア音楽教育ジャーナル), 1, 70-81.
http://search.informit.com.au/documentSummary;res=IELHSS;dn=676338997943309

Bragge P., Bialocerkowski, A., & McMeeken, J.(ブラッグ・P、ビアロサコフスキー・A、& マクミーケン・J)(2006年)
Understanding playing-related musculoskeletal disorders in elite pianists.(一流ピアニストの演奏関連筋骨格疾患の理解。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 21 (2), 71-79.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1167&article=1659&action=3&search=true#abstract

Bruno, S., Lorusso, A., & L’Abbate, N.(ブルーノ・S、ロルッソ・A、& ラベート・N)(2008年)
Playing-related musculoskeletal disorders in young and adult classical piano students.(若年および成人のクラシック・ピアノを専攻する学生の演奏関連筋骨格疾患。)
International Archives of Occupational and Environmental Health(労働および環境衛生の国際公文書), 81 (7), 855-860.
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00420-007-0279-8

Cayea, D., & Manchester, R.(ケーヤ・D、& マンチェスター・R)(1998年)
Instrument-specific rates of upper-extremity injuries in music students.(音楽を専攻する学生の上肢傷害の楽器別の割合。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 13 (1), 19-25.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1101&article=1112&action=3&search=true#abstract

Chesky, K., Yoshimura, E. & Furuya, S.(チェスキー・K、芳村・E、& 古屋・S)(2007年)
Hand size and PRMDs in Japanese female pianists.(日本人女性ピアニストの手のサイズとPRMD(演奏関連筋骨格疾患)。)(投書)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 22 (1), 39-40.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1170&article=1695&action=1

De Smet, L., Ghyselen, H., & Lysens, R.(デ・シュメット・L、ゲイセレン・H、& レイセンズ・R)(1998年)
Incidence of overuse syndromes of the upper limb in young pianists and its correlation with hand size, hypermobility and playing habits.(若年ピアニストの上肢のオーバーユース症候群(使いすぎ症候群)の発症率と、手のサイズ、過度可動性、および演奏習慣によるその相関関係。)
Chirurgie de la Main, 17 (4), 309-313.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0753905398800306

Farias, J., Ordonez, F.J., Rosety-Rodriguez, M., Carrasco, C., Ribelles, A., Rosety, M., Rosety, J.M., & Gomez del Valle, M.(ファリアス・J、オルドネス・F・J、ロセッティ=ロドリゲス・M、カラスコ・C、リベレズ・A、ロセッティ・M、ロセッティ・J・M、& ゴメス・デル・バレ・M)(2002年)
Anthropometrical analysis of the hand as a Repetitive Strain Injury (RSI) predictive method in pianists.(ピアニストの反復運動過多損傷(RSI)の予測手法としての手の身体計測分析。)
Italian Journal of Anatomy and Embryology(解剖学および発生学イタリアン・ジャーナル), 107 (4), 225-231.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12611474

Fry, H.J.H.(フライ・H・J・H)(1987年)
Prevalence of overuse (injury) syndrome in Australian music schools.(オーストラリアの音楽学校におけるオーバーユース(使いすぎ)(障害)症候群の罹患率。)
British Journal of Industrial Medicine(産業医療ブリティッシュ・ジャーナル), 44, 35-40.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1007775/

Furuya, S., Nakahara, H., Aoki, T., & Kinoshita, H.(古屋・S、ナカハラ・H、アオキ・T、& キノシタ・H)(2006年)
Prevalence and causal factors of playing-related musculoskeletal disorders of the upper extremity and trunk among Japanese pianists and piano students.(日本人のピアニストおよびピアノ科の学生の間の上肢および胴体の演奏関連筋骨格疾患の罹患率と原因因子。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 21 (3), 112-118.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1168&article=1669&action=3&search=true#abstract

Lai, K.-Y., Wu, S.-K., Jou, I. M., Hsu, H.-M., Chen Sea, M.-J., & Kuo, L.-C.(ライ・K-Y、ウー・S-K、ジョウ・I・M、シュー・H-M、チェンシー・M-J、& クー・L-C)(2015年)
Effects of hand span size and right-left hand side on the piano playing performances: Exploration of the potential risk factors with regard to piano-related musculoskeletal disorders.(手のスパンの大きさと左右の手の側方がピアノの演奏実績に与える影響: ピアノ関連の筋骨格障害に関する潜在的危険因子の調査。)
International Journal of Industrial Ergonomics(工業人間工学国際学術誌), 50, 97-104.
https://www.deepdyve.com/lp/elsevier/effects-of-hand-span-size-and-right-left-hand-side-on-the-piano-dnolJDQF7N?key=elsevier

Manchester, R.A., & Flieder, D.(マンチェスター・R・A、& フリーダー・D)(1991年)
Further observations on the epidemiology of hand injuries in music students.(音楽を専攻する学生の手の傷害の疫学についての更なる所見。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 6, 11-14.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1133&article=1345&action=3&search=true#abstract

Pak, C.H. & Chesky, K.(パック・C・H、& チェスキー・K)(2001年)
Prevalence of hand, finger, and wrist musculoskeletal problems in keyboard instrumentalists.(鍵盤演奏家の手、指、および手関節の筋骨格系問題の罹患率。)
The University of North Texas Musician Health Survey.(北テキサス大学音楽家健康調査。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 16 (1), 17- 23.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1089&article=986&action=3&search=true#abstract

Quarrier, N.F.(クォーリーアー・N・F)(1995年)
Survey of music teachers: perceptions about music-related injuries.(音楽教師を対象にした調査: 音楽関連の障害に対する認識。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 10, 106-110.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1115&article=1210&action=3&search=true#abstract

Ranelli, S., Straker, L. & Smith, A.(レイネリー・S、ストレイカー・L、& スミス・A)(2011年)
Playing-related musculoskeletal problems in children learning instrumental music.(器楽曲を学ぶ子供達の演奏関連の筋骨格系問題。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 26 (3), 123-139.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1193&article=1911&action=3&search=true#abstract

Sakai, N.(酒井・N)(1992年)
Hand pain related to keyboard techniques in pianists.(ピアニストの鍵盤テクニックに関連する手の痛み。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 7, 63-65.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1128&article=1306&action=3&search=true#abstract

Sakai, N.(酒井・N)(2002年)
Hand pain attributed to overuse among professional pianists: a study of 200 cases.(プロのピアニストの間のオーバーユース(使いすぎ)に起因する手の痛み: 200症例についての調査)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 17(4), 178-180.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1082&article=924&action=3&search=true#abstract

Sakai, N., Liu, M., Su, F., Bishop, A. & An, K.(酒井・N、リュー・M、スー・F、ビショップ・A、& アン・K)(2006年)
Hand span and digital motion on the keyboard: concerns of overuse syndrome in musicians.(鍵盤上の手のスパンと指先の動き: 音楽家のオーバーユース(使いすぎ)症候群の懸念。)
The Journal of Hand Surgery(手の外科学ジャーナル), 31 (5), 830-835.
http://www.jhandsurg.org/article/S0363-5023(06)00241-3/fulltext

Sakai, N., & Shimawaki, S.(酒井・N、& シマワキ・S)(2010年)
Measurement of a number of indices of hand and movement angles in pianists with overuse disorders.(オーバーユース(使いすぎ)障害を抱えるピアニストの手および運動角度の多数の指標の測定。)
The Journal of Hand Surgery(手の外科学ジャーナル), 35 (6), 494-8.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20427408

Shields, N. & Dockrell, S.(シールズ・N、& ドックレル・S)(2000年)
The prevalence of injuries among pianists in music schools in Ireland.(アイルランドの音楽学校のピアニストの間の傷害の罹患率。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 15 (4), 155-160.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1090&article=995&action=3&search=true#abstract

Yoshimura, E., Paul, P.M., Aerts, C. & Chesky, K.(芳村・E、ポール・P・M、アーツ・C、& チェスキー・K)(2006年)
Risk factors for piano-related pain among college students.(大学生の間のピアノ関連の痛みの危険因子。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 21 (3), 118-125.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1168&article=1670&action=3&search=true#abstract

Yoshimura, E., Fjellman-Wiklund, RPT, Paul, P.M., Aerts, C. & Chesky, K.(芳村・E、フィエルマン=ウィークルント、RPT、ポール・P・M、アーツ・C、& チェスキー・K)(2008年)。
Risk factors for playing-related pain among piano teachers.(ピアノ教師の間の演奏関連の痛みの危険因子。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 23 (3), 107-113.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1177&article=1753&action=3&search=true#abstract

Zaza, C. & Farewell, V.T.(ザザ・C、& フェアウェル・V・T)(1997年)
Musicians’ playing-related musculoskeletal disorders: an examination of risk factors.(音楽家の演奏関連筋骨格疾患: 危険因子の調査。)
American Journal of Industrial Medicine(産業医療アメリカン・ジャーナル), 32, 292-300.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/(SICI)1097-0274(199709)32:3%3C292::AID-AJIM16%3E3.0.CO;2-Q/abstract

Zaza, C.(ザザ・C)(1998年)
Playing-related musculoskeletal disorders in musicians: a systematic review of incidence and prevalence.(音楽家の演奏関連筋骨格疾患: 発生率と罹患率の系統的レビュー。)
Canadian Medical Association Journal(カナダ医師会ジャーナル), 158 (8), 1019-1025.
http://www.cmaj.ca/content/158/8/1019.full.pdf+html?sid=2101c577-47fe-4ac7-a303-02b65f8a65d5

 
Evidence from the disciplines of ergonomics and biomechanics
人間工学と生体力学の分野からの証拠

近年発展した人間工学および生体力学科学は、ピアノのテクニックを分析し、人体を最も効率的に使える方法を究明するのに利用できます。
人間工学の根拠は、『形態は機能の結果として生じる』、すなわち、道具や器具の設計は、人間の手の寸法に従う必要があるということです。
生力学的および人間工学的な研究は、手首運動の程度、反復、そして強さが、腱炎、手根管および他の神経絞扼の危険因子であり、女性が男性よりこれらの疾患にかかりやすいと断定しています。

リステン氏(2000年)は、選択されたピアノの課題の出来栄えを説明し分析するために、生体力学的研究から確立した定量的データを概説しました。彼女は傷害の一因となる可能性があるいくつかの動作と練習習慣を特定しています。
これらには、力強い動きの手首の角度(橈骨および尺骨の偏位(ずれ)、極度の回内運動あるいは回外運動)、そして反復運動が挙げられます。

ディール氏リステン氏(2003年)は、必要とされる横方向の手首運動、屈曲、伸展(手足の関節を曲げた状態から伸ばすこと、または伸ばした状態)、および偏位が原因の危険性にさらされる可能性が、小さい手のピアニストは大きい手の演奏家よりも高いことを指摘しました。大きな和音、オクターブ、およびアルペジオが、『解剖学的中立』位置から小さい手を押し出しています。
これは、オクターブと和音の演奏が痛みや障害の推定原因と特定している酒井氏の臨床研究(1992年、2002年)の結論と一致しています。

2013年7月のAPPCAピアノ教育学会議へのプレゼンテーションで、ボイル氏(2013年)は、生体力学的および生理学的な観点から見た、小さい手のピアニストのための縮小された鍵盤(※ESPK)の利点の分析を示しました。
この論文では、前世紀初頭(1929年)の、論理的に正しい科学的原理に基づくオットー・オルトマン氏の先駆者的研究を再検討しています。彼は、痛みや障害を避けるという点だけでなく、演奏の卓越性を達成するという点でも、最高レベルで演奏できることに対する手のスパンの重要性を明確に認識しています。
例として: 『The three factors of hand width, finger length and finger abduction, to which, of course, the similar thumb values must be added, will explain a surprisingly large number of technical difficulties that are often wrongly attributed to defects of coordination or studentship.((筋肉の動きの)協調の不良や学生の身分によるものと多くの場合誤って考えられている驚くほど多くの技術的困難を、(言うまでもなく同様の親指の意味が加えられていなければならない)手の幅、指の長さ、および指の外転の3つの要因が説明する。)』と、『Fine dynamic gradation with the fingers in extreme stretches is physiologically impossible.(極度に引き伸ばした状態の指を使っての繊細で力強い漸次的変化は生理学的に不可能である。)』

生体力学的に不利な状況もやはり、筋肉の緊張や精神的努力の増大ピアニストの音楽的表現に重点的に取り組む能力の制限の原因となります。
著名なドイツの科学者、クリストフ・ワグナー氏(1984年)はこれを示唆しています: 『Perhaps the most important effect of biomechanical disadvantage lies in the increased load on the central nervous system.(生体力学的に不利な状況が及ぼす最も重要な影響は、恐らく中枢神経系にかかる負担の増加にある。)』
下(このブログでは他のページ)のPerformance Quality(演奏の出来栄え)の項もご参照ください。

Ergonomically Scaled Piano Keyboards(人間工学的にスケーリングされたピアノ鍵盤)

References
参考文献

Boyle, R.(ボイル・R)(2013年)
The benefits of reduced-size keyboards for smaller-handed pianists: An exploration of biomechanical and physiological factors.(小さい手のピアニストのための縮小した鍵盤の利点: 生体力学的および生理学的要因の探求。)
Proceedings of the 11th Australasian Piano Pedagogy Conference: Opening Doors: The Complete Musician in a Digital Age.(第11回オーストラレーシア・ピアノ教育学会議の議事録: 開放: デジタル時代における完全な音楽家。)
University of Southern Queensland, Toowoomba, 2-6 July 2013.(サザン・クイーンズランド大学、トゥウンバ、2013年7月2~6日。)
http://www.appca.com.au/2013proceedings.php

Deahl, L. & Wristen, B.(ディール・L、& リステン・B)(2003年)
Strategies for small-handed pianists.(小さい手のピアニストのための戦略。)
American Music Teacher(アメリカン・ミュージック・ティーチャー), 52 (6), 21-25.
http://www.thefreelibrary.com/Strategies+for+small-handed+pianists.-a0102521600

Grieco, A. Occhipinti, E., Colombini, D., Menoni, O., Bulgheroni, M. Frigo, C., & Boccardi, S.(グリエコ・A、オッキピンチ・E、コロンビーニ・D、メノーニ・O、バラローニ・M、フリーゴ・C、& ボッカルディ・S)(1989年)
Muscular effort and musculoskeletal disorders in piano students: electromyographic, clinical and preventive aspects.(ピアノを専攻する学生の筋肉運動と筋骨格疾患: 筋電図記録、臨床的、および予防的側面。)
Ergonomics(エルゴノミクス(人間工学)), 32 (7), 697-716.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2806217

Kochevitsky, G.(コチェビツキー・G)(1967年)
The Art of Piano Playing(ピアノ演奏術). Summy-Birchard Music Inc.(サミー・バーチャード音楽社), USA(アメリカ).
http://www.amazon.com/The-Piano-Playing-George-Kochevitsky/dp/0874870682

Meinke, W.B.(ミーンク・W・B)(1995年)
The work of piano virtuosity: An ergonomic analysis.(ピアノ妙技の作品: 人間工学的解析。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 10 (2), 48-61.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1116&article=1214&action=3&search=true#abstract

Neuhaus, H.ネイガウス・H)(1973年)
The Art of Piano Playing(ピアノ演奏術), Barrie & Jenkins(バリー & ジェンキンズ), London(ロンドン).

Ortmann, O.(オルトマン・O)(1929年)
The Physiological Mechanics of Piano Technique.(ピアノ・テクニックの生理学的機構。)
Kegan Paul, Trench, Trubner & Co., London, and E.P. Dutton & Co., Inc., New York.(ケガン・ポール、トレンチ、トリューブナー社、ロンドン、およびE・P・ダットン社、ニューヨーク。)
https://books.google.co.jp/books/about/The_physiological_mechanics_of_piano_tec.html?id=hcwJAQAAMAAJ&redir_esc=y

Wagner, C.H.(ワグナー・C・H)(1984年)
Success and failure in musical performance: Biomechanics of the hand.(音楽の能力における成功と不成功: 手の生体力学。)
In Roehmann F.L., & Wilson F.R. (Eds): The Biology of Music Making, Proceedings of the 1984 Denver Conference, St Louis, Missouri, MMB Music Inc., 1988, 154-179.(ローマン・F・L、およびウィルソン・F・R(編集者)において: 音楽作成についての生物学、1984年デンバー会議の議事録、ミズーリ州セントルイス、MMB音楽社、1988年、154-179。)

Wagner, C.H.(ワグナー・C・H)(2012年)
Musicians' hand problems: looking at individuality.(音楽家の手の問題: 個性の観察。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 27 (2), 57-64.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1196&article=1942&action=3&search=true#abstract

Wristen, B.(リステン・B)(2000年)
Avoiding piano-related injury: a proposed theoretical procedure for biomechanical analysis of piano technique.(ピアノ関連の傷害の回避: ピアノのテクニックの生体力学解析のための理論的方法の提案。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 15 (2), 55-64.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1092&article=1011&action=3&search=true#abstract

Wristen, B. & Deahl, L.(リステン・B、& ディール・L)(2002年)
Small hands SOS! Circumventing injury and succeeding at the piano.(小さい手SOS!傷害の回避とピアノでの成功。)
Music Teachers’ National Association, Cincinnati, Ohio.(音楽教師協会、オハイオ州シンシナティ。)
http://digitalcommons.unl.edu/musicpresentations/1/

 
Results of comparative studies involving reduced size keyboards
縮小された鍵盤を対象にした比較研究の結果

研究における縮小された鍵盤(すなわち、人間工学的にスケーリングされたピアノ鍵盤 - ESPKsの別名でも知られる、より狭いキーの鍵盤)の使用は非常に新しい活動分野ですが、米国の調査チームから重要な結果が明らかになり始めています。

リステン氏およびその他(2006年)は、物理的な弾き易さに関する実験によって得られるデータを提供するために、(8インチ(20.32cm)以下の有効な1-5スパンを持っていると定義される)小さい手のピアニストの筋電図記録法の使用を含む予備研究を実施しました。
指定された音楽の抜粋の演奏時に、筋肉負荷、手のスパン、手関節屈曲と伸展(手足の関節を曲げた状態から伸ばすこと、または伸ばした状態)、および橈側尺骨の偏位について測定値を取りました。
試験では、特定の鍵盤(計画された練習セッション)を演奏し、他の鍵盤に移行することが必要でした。その試験もまた、専門家委員会によって記録、評価され、結果は自己評価と比較されました。DS5.5(7/8)DS6.5(標準)の鍵盤の両方が比較の目的で使用されました。

この研究の結果は、被験者が自己申告した最も良い演奏が、専門家の評価と一致することを示しました。
5.5鍵盤は、彼らの総合的な快適感に基づいて全てのピアニストに好まれ、これは鍵盤の打ち損ない、必要とされる手のスパンの範囲などの中断(躊躇)や、実験によって得られるデータ、測定された関節角度、および力の荷重に基づいた専門家の評価によって実証されました。執筆者は、DS5.5鍵盤の使用が、それらのピアニストにとってより弾きやすく、より楽しめる練習につながるだろうという結果をまとめています。

芳村氏チェスキー氏(2009年)は、標準DS6.0(15/16)の鍵盤を使って、大学のピアノを専攻する学生の間の痛みと緊張を比較しました。小さい手の学生の間で痛みや緊張のレベルが著しく高いことが分かっています。
結果は、6.5鍵盤と比較して、6.0を使うときに痛みの大幅な減少も示しています。この違いは小さい手のグループに関して統計的に有意でした。執筆者もまた、視覚的に手の姿勢を分析し、より大きい手のピアニストにとっての明らかに大きな心地良さと、より小さな手の人たちにとっての過度の伸展に注目しました。
その結果は広く受け入れられている人間工学の原則と一致しています。

縮小された鍵盤の利点についての個人的な話に関しては、What Pianists Sayピアニストたちの言うこと)をご覧下さい。

References
参考文献

Davis, P., & Evans, S.(デイビス・P、& エヴァンズ・S)(2007年)
Pianists' adaptability to smaller keyboards.(ピアニストのより小さい鍵盤への適応性。)
Poster Paper Presented at the Music Teachers National Association 2007 National Conference, Chicago, Illinois.(全米音楽教師協会2007年イリノイ州シカゴ全国会議で発表された広告ビラ)

Wristen, B., Jung, M.C., Wismer, A.K.G., & Hallbeck, M.S.(リステン・B、ユング・M・C、ウィザマー・A・K・G、& ハルベック・M・S)(2006年)
Assessment of muscle activity and joint angles in small-handed pianists.(小さい手のピアニストの筋肉活動および関節角度の評価。)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 21 (1), 3-9.
http://digitalcommons.unl.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1007&context=musicfacpub

Yoshimura, E. & Chesky, K.(芳村・E、& チェスキー・K)(2009年)
The application of an ergonomically modified keyboard to reduce piano-related pain.(ピアノ関連の痛みを和らげる人間工学的に変更された鍵盤の使用。)
MTNA e-Journal, November.(MTNA電子ジャーナル、11月。)
http://mtnaejournal.org/publication/?i=26940

 
Performance quality
演奏の出来栄え

ピアノの演奏の出来栄えの面を直接的に調査し、これが手のスパンとどの程度関連するかをほとんどの研究が考慮していませんでした。
ある調査(リー氏、1990年)によって、演奏の出来栄えの度合い(動的および時間的均一性)とは手の人間工学的な変動が相関していないことが明らかになっています。しかしながら、選ばれた抜粋(単純な5本指の練習とアルペジオ)は、広い範囲や跳躍進行とは無関係であり、故に、この指のスパンに関する関連性の欠如は、恐らく驚くことではありません。
音楽の才能のある人物がたとえ小さい手の人たちであっても、必然的に『手に収まる』傾向があるためにバッハモーツァルトなどのバロック様式初期古典派の曲目を演奏する場合に、仮にそうであるとしても、女性ピアニストが極めて不利な条件に置かれているように思えます。(Piano competitionsピアノコンクール)をご覧下さい。)

手のサイズに関して明確ではありませんが、ゴーブル氏パーマー氏による論文(2013年)は、手首・手・指運動の効率と、タイミングや音調の強度の正確さや精密さとしてここで測定されている演奏の出来栄えとの間の因果関係に関する確固たる証拠を述べています。
大きい手のピアニストと比べて、小さい手のピアニストが音符に届くために必要なさらに大きな跳躍や傾きのストロークを含め、彼らの手や手首のはるかに大きな動きを示しているのを容易に気付くことができます。彼らの手のサイズとより適合する鍵盤へ移行しているピアニストは動きの減少を感じることができます。

細幅鍵盤と合わせて考えられる大きな範囲の利点を示すいくつかの事例証拠が、19世紀の作曲家、カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria von Weber)の手腕に関するこの記述によってもたらされています。

『今日の偉大な管弦楽作曲家の1人であるウェーバーもまた、特に彼が好んだウィーンの楽器(ブロードマン(Brodmann))のピアノの新しい音色の可能性を認識していた。これは現代の楽器よりも軽く、その鍵盤の幅は狭く、オクターブが現在の16.5 cmに対して15.9 cmのスパンだった。さらに彫刻は、ウェーバーが長い指と、彼の人差し指の中央の間接まで届くほど一際細長い親指を持っていたことを示しており、これが10度に及ぶ四部の和音を彼が難なく弾き、ピアノと管弦楽のための小協奏曲(コンツェルトシュテュック)の驚異的な跳躍進行やオクターブ・グリッサンドを自ら考え出すのを可能にしていた。ベネディクト(Benedict)は次のように述べている。「手が非常に大きいという利点を持っており」、オクターブと同じ腕前で10度を弾くことができ、ルービンシュタイン(Rubenstein)のように、繊細さや深い表現が要求されるような音色の声質を引き出すため、ウェーバーはこの上なく驚くべき共鳴の効果を生み出し、力強さも備えていた。』
(オックスフォード大学出版局、1980年)

References
参考文献

Goebl, W. & Palmer, C.F.(ゴーブル・W、& パーマー・C・F)(2013年)
Temporal control and hand movement efficiency in skilled music performance.(熟練した音楽演奏における時間的制御と手の動きの効率。)
PLOS ONE、8 (1).
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0050901

Lee, S-H.(リー・S-H)(1990年)
Pianists' hand ergonomics and touch control.(ピアニストの手の人間工学およびタッチのコントロール)
Medical Problems of Performing Artists(アーティストの医学的問題), 5 (2), 72-78.
https://www.sciandmed.com/mppa/journalviewer.aspx?issue=1136&article=1369&action=3&search=true#abstract

MacRitchie, J.(マクリッチ・J)(2015年)
The art and science behind piano touch: A review connecting multi-disciplinary literature.(ピアノ・タッチの背後にある芸術と科学: 多くの専門分野にわたる文献を結ぶレビュー)
Musicae Scientiae(ムジケ・スキエンティアエ(音楽の認知科学のためのヨーロッパの学会誌)), 19 (2), 171-190.
http://msx.sagepub.com/content/19/2/171.abstract

オックスフォード大学出版局(1980年)
The New Grove Dictionary of Music and Musicians Vol 20, pp. 250-251, London.(ニューグローヴ世界音楽大事典(※ 音楽と音楽家に関する百科事典) 第20巻、250~251ページ、ロンドン。)




記事の中で取り上げられている日本人研究者の、酒井直隆氏芳村英里さんについてですが、日本語の記事をご覧になって頂く方が分かりやすいかと思いますのでいくつか紹介させて頂きます。(以前からこのブログを読んで下さっている方にとっては既にお馴染みの方々ですね。)


◆酒井直隆氏について◆

東京女子医科大学附属青山病院
音楽家専門外来のご案内


痛みを招く手の酷使
楽器演奏で高頻度
音楽家外来で治療を


宇都宮大学工学部
機械システム工学科


「細幅鍵盤のススメ  ~ショパンとピアノと鍵盤と・・・小さい手~」
“研究者 酒井直隆先生による手の大きさと鍵盤幅についての文献”



◆芳村英里さんについて◆

DALLAS 日本人会会報 2012年1/2月号(3~4面<この人に訊く>)
(PDFなので、特にスマホだと表示に少し時間がかかるかもしれません。)

芳村英里とエモーケ・ウイ=ヒリヤードによるFOUR HANDS PIANO
(奈良市・11.11.23/京都市・11.11.26)

(こちらもPDFです。)

Eri & Emi Piano Duo:芳村英里Pf・エモーケ・ウイ=ヒリヤードPf
(大阪市・06.12.22)


「細幅鍵盤のススメ  ~ショパンとピアノと鍵盤と・・・小さい手~」
“芳村英里先生、Kris Chesky先生によるの論文を読んで”



記事の内容のほとんどが「詳しいことは参考文献を参照してね」という感じですが、指が十分に届いているかどうかが演奏の質に影響することは、弾いていればお気づきになるかと思います。
もちろん、音楽を表現するセンスなどは手の大きさに関係するものではなく、手が小さくてもセンスのいい方は表現豊かな演奏をされますね。

たまにテレビなどで手が小さい方が素晴らしい演奏をされるところを見ることがあるのですが、やはり聞いていると、オクターブの連打広い和音の同時打鍵などが(テレビで見た範囲だけですが)見受けられず、ほとんどアルペジオだったり、同時打鍵する場合も狭い範囲の音だったりと、“技術的な制限”がかかっていることに気付いてしまうことがあります。
センスや表現力が素晴らしい方が多いだけに、そのような方々が十分に指が届く状態であればどんな演奏をされるのだろうかとついつい考えてしまいます。(大きなお世話かもしれませんが・・・)


“形態は機能の結果として生じる”
やはりスポーツ同様、身体(特に手)を酷使する楽器の演奏も人間工学の基盤に沿うことが望ましいのではないでしょうか。

弦楽器などはこの人間工学の基盤に沿った楽器と言えるかもしれませんね。
特にバイオリンには、演奏者の体格に合わせて幅広いサイズが選べるという点以外にも、顎当て肩当てといった、演奏をしやすくするための小物もありますね。
この顎当てや肩当ての歴史は意外と新しいようで、ストラディバリグァルネリの時代には無かったそうです。
これについては先日テレビでバイオリニストの葉加瀬太郎さんも仰っていましたが、顎当てが無かった時代には、安定させるためにテーブルの隅にバイオリンを当てて弾いていたそうです。
肩当ての使用に関しては賛否あるようですが、痩せた方や首が長い方など、演奏される方の体格によってはあった方が良い場合もあるようですね。

スポーツも、選手がなるべく身体に負担のかからない自然な状態でなければ良いプレーは出来ませんし、怪我のリスクも増してしまいますね。
バイオリンも、演奏者がなるべく身体に負担のかからない自然な状態でなければ良い演奏は出来ませんし、恐らく、障害のリスクも増してしまうでしょう。
では、ピアノはどうでしょう。
研究や調査の結果が物語っているように、ピアノの在り方についても、そろそろこの人間工学の基盤に沿って考えてみてもいいように思います。


ピアノ ブログランキングへ
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村
スポンサーサイト
コメント

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[] 2015/08/19(水) 15:07 [編集]

2015/08/19(水) 15:07の投稿者様
コメントありがとうございます。
後ほどそちらへお伺い致します。
LittleHands [URL] 2015/08/19(水) 15:28 [編集]

管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 2017 細幅鍵盤随想記|ピアノと鍵盤と、時々、戯言.
all rights reserved.