主に細幅鍵盤の事を、個人的な戯言を交えながら徒然なるままに書いているブログです。このブログの趣旨をまとめていますので、初めてお越しの方は、宜しければカテゴリ欄の「記事の概要」をご一読ください。
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02/17
PASK記事翻訳 - Part7 * 細幅鍵盤を試したピアニストからの反響・主なピアノ・コンクールと演奏経歴での成功における性差
PASKのサイト『PIANISTS FOR ACCESS TO SMALLER KEYBOARDS』の、"NEED FOR NARROWER KEYS"の6つの項目の中の、「5. 現在利用可能な縮小サイズ鍵盤を試したピアニストからの増加している例証」「6. 国際的なピアノ・コンクールの結果および成功している国際的な演奏の経歴を維持したピアニスト間の両方における性差の分析」の翻訳がやっと仕上がりましたので掲載させて頂きます。




"5. Feedback from pianists who have tried ergonomically scaled piano keyboards (ESPKs)"
『5. 人間工学的に縮小されたピアノピアノ鍵盤(ESPK)を試したピアニストからの反響』

小さい手のピアニスト、特に親指から5番目の指までの最大の手のスパンが8.5インチ(21.59cm)未満の人々は、より狭い鍵盤で演奏することが、どれほど簡単であるかを圧倒的に報告します。

これらのピアニストはさらに、学習時間が減少し、習得できるレパートリーが著しく増加すると報告します。

重要なことには、彼らには技術的な障害を克服することよりも、むしろ音楽自体に集中するはるかに大きな能力があると、これらのピアニストは報告します。
ほとんど例外なく、彼らは、非常に速く、2、3時間、最大でも2、3日以内に、より小さな鍵盤に順応します。一旦順応すれば、彼らが標準の鍵盤で演奏できる作品については、ピアニストは必要に応じて、従来とより小さい鍵盤の間を行ったり来たり交代することができます。
これは、国々を変更する場合に、道の「間違った」側で運転することを学ぶことにやや似ていて、ドライバーが最初の適応過程を経験してきていれば、彼らはこの先何年もどちらの側ででも簡単に運転する能力を持ち続けます。

『あなたは、あなたがまさに失っていたもの、そして、あなたの人生の全てに直面していた不必要な障害の発見の旅に出るために、あなた自身に少なくとも2、3日を与える必要があります。いずれの2つの指の間の距離を単に「引き伸ばす」ことよりもずっと重大であることが、私の言った通りであれば、私を信用してください。』・・・・クリストファー・ドニソン、2006年12月。

グランドピアノでスタインビューラーの鍵盤を交換することがどれくらい簡単か、初めてDS™7/8鍵盤を試すピアニスト、および2007年のMTNA会議で講演リサイタルを行うキャロル・レオーネ博士について示しているマリオ・エジェロ(marioajero.blogspot.com)によって撮影されたこれらのビデオを見てください。

Reduced-size keyboards Part 1: http://www.youtube.com/watch?v=SBfDN9DBsnk
Reduced-size keyboards Part 2: http://www.youtube.com/watch?v=yiF05uBej0c

関連項目: www.smallpianokeyboards.org/what-pianists-say.html


"6. Gender differences in success at major piano competitions and with performing careers"
『6. 主なピアノ・コンクール、および演奏経歴での成功における性差』

成人男性は、ピアノ奏者全体の比較的小さな集団を構成し、通常、第三機関の中、およびピアノ教師の間では女性よりも少ないものの、彼らは主な国際ピアノ・コンクールでの受賞者のリストおよびプロのピアニストの集団で多数を占めています。

バイオリン・コンクールの結果を一目見た場合、性差の同じパターンは発見できません。バイオリンは、設計における異なるサイズとバリエーションが、手のスパンに関しての不利な立場の結果をあまり生じさせない証拠として利用できる楽器です。子供には、通常、より小さい型のバイオリンを演奏し始める恩恵があります。

この100年にわたる主な演奏およびレコーディング・アーティストは、圧倒的に男性でした。最も有名な女性アーティストの多くは、主にバロック音楽、および初期の古典的なレパートリーに重点的に取り組みました。

関連項目: www.smallpianokeyboards.org/piano-competitions.html


"Conclusion - Size does matter"
『結論 - サイズは重要です』

他のすべてが同じならば、より小さな手のピアニストは、2つの主な面で現在の鍵盤で不利な立場に置かれています。
第一に、彼らは、痛みと怪我に苦しむ傾向が強いです。第二に、彼らにとって、かなりの割合のピアノ・レパートリーが除外され、彼らが演奏するのが物理的に不可能な部分が多い難しいレパートリーを学ぶのに、より大きな苦労をします。
これら2つの要因は、彼らが一流の能力基準に達するのがこのようにして妨げられることを意味しています。

研究および他の証拠は、8.5インチ(21.59 cm)あるいはそれ以下の手のスパンを持つピアニストが、より小さな鍵盤から大いに恩恵を得ることを示しています。この測定基準を使うと、成人男性の20%、それに成人女性の80%が恩恵を受けます!

狭いキーを備えた鍵盤は、差別の除去を促します。
7/8鍵盤(各鍵盤が『標準的な』ピアノ鍵盤の幅の7/8である場合)は、男性が女性以上に持っている1インチ(2.54cm)の有利性を主に取り除きます。

どちらの性の子供も、大人より更に手が小さいですが、現在、(成人)男性のために設計されたピアノで学ばざるを得なくなっています。

根本的には、ピアニストと彼らの聴衆によって経験されるように、最も重要なことは音楽自体です。聴取者は素晴らしい音楽的経験へ誘われることを望み、ピアニストは、技術的な問題について考えているより、むしろ音楽に『没頭』できることを望んでいます。

『ピアノで音をコントロールする能力、そしてこれは、広範囲の強弱法を備えたフレーズを見事に形作るのはもちろん、美しい音色も作り出すことを意味し、私たちが楽に演奏出来ることに大きく左右される。』(マックス・クック、1985年)

かつて1929年にオットー・オルトマンによって認識されたように、鍵盤にかなり適合度が高いピアニストの手を含めた人間工学的な要因は、技術的な容易さに影響する重大な要因です。
ピアニストが縮小されたサイズの鍵盤によってさらに大きな高みに達することができ、聴衆が彼らと共に誘われるのだとすると、では、狭い鍵盤を備えた世界のピアノを、なぜ否定するのですか?


マックス・クック(1985年)。高度なピアニストの音色、タッチおよびテクニック。オーストラリア、メルボルンのアラン。

オットー・オルトマン(1929年)。ピアノ・テクニックの生理的力学。ロンドンのキーガン・ポール、トレンチ、トリューブナー社、そしてニューヨークのE.P.ダットン社。




もし違う幅の鍵盤に慣れてしまったら、今までの鍵盤では弾けなくなるのではないかと思ってらっしゃる方も多いのではないかと思います。
かく言う私もそうなるような気がしている方ですが、この事に関しては中田喜直さんも、ご自身の著書『音楽と人生』随筆集の第4章「日本人と、ピアノ」の中で、幅の狭い鍵盤に慣れても、細幅鍵盤と標準鍵盤の両方が弾けるというようなことを仰っていますし、ポーランド出身のピアニスト、ヨゼフ・ホフマン氏も、自分用の細幅鍵盤ピアノが持ち込める時はそれで弾き、出来ない時は普通のピアノを弾いたということから、違う幅の鍵盤が幾つかあっても、ちゃんとそれぞれに適応する能力が人間には備わっているようです。

ちなみに、PASKの主要メンバーの1人であるキャロル・レオーネ博士は、スタインビューラーの動画内で標準鍵盤と7/8鍵盤を弾かれていて、昨年のAPPCA会議(オーストラレーシア・ピアノ教育学会議)で15/16鍵盤を弾かれていることから、3つのサイズ全て弾けるようです。

とは言え、当然のことですが、指が伸びるわけではないので、これはあくまでも自分の手の大きさで弾ける曲であれば・・・という話で、元々標準鍵盤で指が届かない部分までが弾けるようになるわけではないようです。

細幅鍵盤への移行に関しては、うまくいくのか心配されている方が多いかとは思いますが、思ったほどは時間がかからないようです。
ロンダ・ボイルさんが仰るには、15/16鍵盤への移行の場合は殆どの人がすぐに順応するそうですが、7/8鍵盤の場合は、やはり変化の幅が大きい分、多少の時間がかかるとのことです。
その過程で意欲がそがれてしまう方も実際いらっしゃるようなのですが、それでもそこからもう少し練習を続ければ、大抵の人が数時間か、最長でも2、3日くらいで弾けるようになるそうです。

私含め、相当に手が小さい人(おそらくオクターブぎりぎりか、届かないくらいの人)などは7/8鍵盤が適しているわけですが、そういう方の中にも最初は15/16鍵盤の方が弾きやすいように感じる方もいらっしゃるようです。
それはやはり手をめいっぱい広げて弾く癖がついてしまっているからなのだと思いますが、そういう方も7/8鍵盤での練習を続ければ、最終的にはこっちの方が自分に合っていることに気付かれるそうです。

やはり手が小さければ小さいほど標準鍵盤での無理のある弾き方の癖がついてしまっているので、その癖の修正も含め、7/8鍵盤への移行には、ある程度の大きさの手(最大限広げて1-5間が約21.5 cm以上)の人が15/16鍵盤へ以降するよりも、若干の時間がかかる傾向があるようです。
この件に関して中田喜直さんも、“(細幅への移行の時)手を最大限広げて指を固定し、それが丁度オクターブという手の小さい人が、九度の方に時々間違えることがあった。間違った弾き方の人が間違えるのだが、(オクターブ毎に)五ミリ位より、一センチ狭い方が、より大きく、はっきりとその効果があらわれる。”と仰っています。

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コメント

翻訳お疲れ様です。
私も今、新曲に着手中で
「ピアノに憧れて」という曲ですが、
ある程度完成して来ました。

この曲と「細幅」をシンクロの
予定です。
 2番の歌詞がまだなので
ここで、手が小さくて諦めていたけれど、、
という歌詞を少し入れてみようかと
考えています。^^。
酢~ [URL] 2014/02/17(月) 22:29 [編集]

酢〜様
コメントありがとうございます。

作曲お疲れ様です。
ピアノに憧れながら手の大きさの問題で弾けなくなっている方も多いと思いますので、細幅鍵盤を望む方々の励みになると思います(^^)

今回の内容は、「音楽とは何か」「楽器を奏でるとはどういうことなのか」という根本的なテーマに触れていて、とても興味深い内容でした。
次回の内容も楽しみです♪
LittleHands [URL] 2014/02/18(火) 08:54 [編集]

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