主に細幅鍵盤の事を、個人的な戯言を交えながら徒然なるままに書いているブログです。このブログの趣旨をまとめていますので、初めてお越しの方は、宜しければカテゴリ欄の「記事の概要」をご一読ください。
12 * 2015/01 * 02
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
01/17
スタインビューラー社製細幅鍵盤の使用感や購入、メンテナンスなど
前回の記事で紹介しました、スタインビューラー社の7/8鍵盤(DS-5.5)が取り付けられているウォルター社製のアップライトピアノを購入されたタイの男性と連絡をとることができました。
日本語の分かる方だったこともあり、ピアノの使用感や購入、メンテナンスに関するお話を細かく聞くことができました。
とても協力的で、今回お聞きした内容をブログで紹介することも「参考になれば幸い」と快諾してくださいました。


● 7/8鍵盤(DS-5.5)に対する総合的な感想

見た目の第一印象としては、やはり大きな標準鍵盤を見慣れているせいか、最初にピアノの蓋を開けたときはおもちゃのような印象を受けたとのこと。ただこれも弾いてみれば見かけによらずちゃんとしたピアノだと分かるそうです。

ピアノは昨年の11月20日にご自宅に届いたそうで、練習を始めて1週間ぐらいで慣れてきて、1ヵ月後には自然に弾けるようになったそうです。

やはり標準鍵盤(太すぎる幅)だと、どんなに練習しても上手く弾けるようにならないためになかなかモチベーションが上がらなかったそうですが、7/8鍵盤を弾くようになるとショパンのエチュードOp.10、No.12(革命のエチュード)も標準鍵盤よりずっと楽に弾けて、半年間練習していたゴドフスキーの曲の和音も届くようになったため、モチベーションが上がって今までの倍練習するようになったそうです。

この方が言うには、「こうなってみれば、あんな太い鍵盤なんかを十数年間も弾いていたかと思うと、笑ってしまうほど馬鹿馬鹿しく感じる」そう。
7/8鍵盤のピアノを買う前はヤマハのピアノを使われていたそうですが、結局こちらは全く弾かなくなり、飾るだけの家具になってしまったのだそうです。

この方が7/8鍵盤で演奏されている動画があるので紹介させて頂きます。
Youtubeのプロフィール画像は、この方が7/8鍵盤に手を当てている写真のようですが、これを見るとどうやら12度(ド~上のソ)届いているようです。(すごい



その他の7/8鍵盤での演奏はこちら。

Chopin Op. 10 No. 12 "Revolutionary etude"
K 545 Mozart Sonata No. 16 in C major


● 7/8鍵盤(DS-5.5)の使用感

黒鍵の間の白鍵部分の幅は、7/8だと11~12mmくらい(※)だそうで、この方の指がぎりぎり入るくらいだそうですが、ほぼ問題なく弾けるそうです。ただ、手が汗などでべたついていると黒鍵の間のトリルができなくなるので、その部分は弾き方を変えたそうです。
上記の幅は黒鍵の間にある白鍵そのものの幅で、両サイドの隙間は含まれていません。隙間も含めた実質的な幅は15mmくらいだそうです。ちなみにこの所有者の方の指の太さは、中指の太いところで18mmだそうです。

両サイドと中央で鍵盤の重さが変わることはなく、全体的に均一の重さだそうです。
この方がそれまで使われていたヤマハのピアノより鍵盤が重ためだそうですが、それは細幅だからというよりもピアノ自体の特徴のようです。(ウォルターの鍵盤が重い方)
これに関しては、鍵盤の重さはメーカーによっても違えば好みも人それぞれなので、慣れれば問題ないだろうとのことです。

鍵盤の幅が狭まっただけでアクション部分は変わらない為、鍵盤の深さや高さは普通のピアノと同じだそうです。このため、特に黒鍵は見た目が細高く見えるそうです。
もし鍵盤の高さが気になるようであれば、面倒な作業だそうですが、調整によって黒鍵を下げて白鍵を上げる(白鍵と黒鍵の差を縮める)ことができるそうなので、調律師の方に相談すればやってもらえるだろうということです。
前にロンダさんにも同じような質問をしたことがありますが、このときも鍵盤の重さや高さ(深さ)を特に問題には感じないとのご回答だったので、これも慣れればそんなに気にならないのかもしれません。

この方は最初3/4鍵盤(DS-5.1)を検討されていたそうなのですが、小さすぎても困るので7/8鍵盤にされたそうです。
カワイの細幅鍵盤(15/16に相当)のこともご存知でしたが、やはりまだ大きすぎるという印象のようです。
カスタムオーダーで7/8と3/4の中間のサイズ(DS-5.3)なども注文できるそうですが、スタインビューラー氏が言うにはあまり違いが分からないとのことです。

ちなみに鍵盤選びについては、私の手の大きさ(オクターブが鍵盤の手前からやっと引っかかるくらい)の場合、オクターブを楽に弾くだけで十分であれば7/8鍵盤(DS-5.5)でもいいだろうとのことですが、クラシックの曲ではかなり大きなコード(10度など)がしょっちゅう出てくるので、クラシックの曲も習得するつもりであれば3/4鍵盤(DS-5.1)の方が好みに合うかもしれないということでした。

鍵盤の幅は標準鍵盤の白鍵と黒鍵の比率のままで縮小しているそうなので、ほかの幅(15/16や3/4)についても詳しくお知りになりたい場合は、標準鍵盤の比率のままで幅を縮小してみれば参考になるかと思います。


● メンテナンス(調律)について

ピアノが到着した際に(多分普段からお世話になっている)調律師の方に来てもらったそうですが、鍵盤が細くなったこと以外は普通のピアノと同じなので問題なくやってもらえたそうです。
少なくとも私自身は、ほかの細幅鍵盤の購入者の方々からメンテナンスの問題を聞いたことは特にありません。


● 購入方法や価格、送料、税金など

ディビッド・スタインビューラー氏と直接メールのやり取りをして注文されたそうです。
請求して送ってもらったというレシートも見せてくださいました。これを見るとDateの欄に8/13/2014という日付が。
ピアノが届いたのが昨年の11月20日なので、これが注文の受付日だとしたら、注文してから届くまでの期間はだいたい3ヵ月くらいということになるかと思います。(これも聞いておけばよかったですね

金額ですが、ピアノは8,800米ドル(1,035,012円)、タイまでの送料が250米ドル(約29,404円)の、合計9,050米ドル(約1,064,416円)となっています。タイと日本は地理的に近いので送料も参考になると思います。
送料が意外と安いことに驚きましたが、もっと意外なのはピアノの価格で、スタインビューラー社のサイトに掲載されている価格の10,352米ドル(約1,217,550円 翻訳したときより値上がりしてます)より1,552米ドル(約182,538円)も安い価格になっています。タイまでの送料を含めてもこちらの方が安いくらいですね。

サイトの掲載価格はアメリカ大陸全土への送料を含んだ価格ということなので、海外に送る場合の価格はこの分が差し引かれたピアノ本体のみの価格なのだろうと思うのですが、こうなると、送料など諸々の費用を含めてもアメリカ国内で買うより安く買えてしまうことになりますね。
これが少し前までの異常な円高のとき(1ドルが100円を切ったとき)だったら、もしかすると送料などを含めても100万円以内に納まったかも

そこで気になって調べてみたのですが、日本では楽器の個人輸入では関税がかからないんですね。今までずっと相当な金額の関税がかかってしまうものだと思ってました

http://jp.malltail.com/jp_wp/ct/import_guide/142/

ただ、関税は無税でも消費税はかかるようです。
個人輸入の場合、商品金額の60%の金額より千円未満を切り捨てた金額が課税対象となるようですが・・・ちょっと計算してみます。

8,800米ドル × 60% × 為替レート(1ドル117.615円) = 621,007.20円(課税標準額)
この621,007.20円から千円未満を切り捨てた金額、621,000円に対して消費税がかかります。

621,000円 × 8% = 49,680円
この49,680円から百円未満を切り捨てた49,600円が消費税納付額となります。
消費税は税関での通関手続きのときに支払うようです。

楽器の個人輸入について詳しく解説しているサイトを見つけたので、ご興味があればご参照ください。

http://www.crane.gr.jp/Private_import/index.html

上記の為替レートは1/17/2015 7:55am時点のものです。為替レートは刻一刻と変わっていきますので、今現在の為替レートでの金額をお知りになりたい方にはこちらのサイトが便利です。

為替レート変換君



今回は日本語でコミュニケーションをとることができたので、かなり詳しくお話を伺うことができました。
特に購入に関しては、想像していたよりはハードルが高くないという印象です。もちろん、決して安い金額ではありませんが、もっととんでもない金額がかかるものだと思っていましたので・・・。
それにしても、日本でカワイの細幅鍵盤ピアノを買うよりもアメリカからウォルターの細幅鍵盤ピアノを輸入する方が低コストとは意外でした。

日本では馴染みの薄いチャールズ R ウォルターのピアノですが、品質は決して悪くはないようです。

http://ピアノ買取比較.com/sub_piano/maker.html

どうやらスタインビューラー氏は、規格の3種類(15/16、7/8、3/4)以外の幅でも注文に応じてくださるようです。
それぞれの規格の中間の幅や、3/4よりもさらに細い幅の場合はもちろんのことですが、逆に、標準鍵盤に対して手が大きすぎるという方のために“太幅鍵盤”の注文にも、もしかしたら応じてくださるかもしれませんね。


ピアノ ブログランキングへ
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村
スポンサーサイト
Copyright © 2017 細幅鍵盤随想記|ピアノと鍵盤と、時々、戯言.
all rights reserved.