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細幅鍵盤の普及を阻む障壁 - PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS(和訳)

海外の方が作成した細幅鍵盤関連のサイト、PASK - PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS(サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト)の内容を和訳して紹介しています。
このページでは、サイトのメニューの3つ目、『Barriers to Change』という項目の和訳を掲載しています。

※ この翻訳文の元となる英語サイトの更新に伴い、翻訳文も2018年12月31日に更新しました。




PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS
サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト
PASK_000

Barriers to Change
変わることへの障壁

Yes, you can adapt quickly to a smaller size!
そのとおり、あなたは小さなサイズにすぐに順応できます!


BARRIERS TO CHANGE
変わることへの障壁

ここ10年の間に、サイズの選べる鍵盤はごく限られた方法で利用可能になってきました。それに加えて、様々な学者、研究者、そしてシュタインビューラー社(Steinbuhler & Company)のような製造業者は、現在のサイズの鍵盤がすべての人たちにとって理想的なものではなく、キーの幅が狭い鍵盤が大多数の人々に適している可能性があるということについて議論し始めています。しかしながら、『one-size suits all(それ1つで全ての人に合う)』という考え方から、彼らは変更を検討することに対するかなりの抵抗に遭遇しています。

これらの障壁は、ほとんどが文化的な問題が補強されながら混じりあった不適切なものです。


Lack of access to alternatively sized piano keyboards
サイズの選べるピアノの鍵盤を利用する機会の不足

異なるサイズの鍵盤に切り替えることを望んでいるピアニストの大きな阻害要因となるものは、実際の問題としてあらゆるピアノの鍵盤がどこでも標準的なサイズのため、それらが使えないということです。
大手のピアノメーカーは、恐らく非常に稀な『特別』注文以外には細幅鍵盤ピアノを製造していません。ほんの一握りの小規模メーカーは製造することができ、そうしていますが、小規模な製造、物流、費用によって世界的アクセスが妨げられ、十分に提供できていません。

自宅に縮小鍵盤を所有しているピアニストが抱える非常に苦しい立場がその複雑さを示しています。
彼らは細幅鍵盤を使って難易度の高い曲目で非常に高い水準に到達するかもしれませんが、自分の鍵盤から離れたところに1つしかない選択肢は標準鍵盤のピアノで、それは彼らが多くの作品を演奏するのに苦労し、その上、彼らのレパートリーのいくつかを完全に諦めなければならないことを意味します。
自宅の外で弾くには、練習用の『標準』鍵盤を容易に使える必要があり、その選択肢には、交換可能な鍵盤を備えたグランドピアノや、良質なデジタルピアノの標準鍵盤の入手などがあります。
参照: Vision for the Future(将来への展望)
キーの幅の狭い鍵盤が社会で広く受け入れられ、利用しやすくなるにつれて、この問題は軽減されるでしょう。


Regulations
規制

多くの国や管轄区の試験方針では、子供であってもサイズの異なる鍵盤の使用は認められていません。このことが、教師や親たち、学校や大学が利用可能なあらゆるサイズの選べる鍵盤に投資するのを思いとどまらせています。そのような方針は、広く行き渡った考え方や誤解に基づいていることが多いのです。

このような規制は、ベートーベンがキーの幅の狭い鍵盤で作曲していたにもかかわらず、それが作曲されたまさにそのピアノで、生徒がベートーベンのソナタを演奏することが許されていないことを表しているのです!

試験委員会は、生徒が標準的な鍵盤で、痛みや障害の原因となる可能性のあるテクニックや曲目の指導を受けるかもしれないという事実に対して、ある程度の責任を負う必要があります。
試験での縮小鍵盤の受け入れは、教師がそれらを使い始め、親たちが次第に彼らの先例に倣うのを促すでしょう(参照: Vision for the Future(将来への展望))。これにより、若いピアニストの間での脱落率を下げられるはずです。
教師の励ましにもかかわらず満足のいく進歩が得られないことで、あまりにも多くの若者が失望や自信の無さに苦しみ、そして彼らは、これまでよりもある程度以上の高みに到達するには自分の手が小さすぎているのだということを理解しなければならないのです。


Technological/financial
技術面あるいは財政面

ピアニストが不満を言ったり変更を要求したりするのに大手のピアノメーカーがほとんど目を向けないことを考えると、彼らは130年続いたピアノの鍵盤のサイズの伝統を疑うことに無関心なように思われます。これが小さな鍵盤の潜在的な巨大市場であるにもかかわらずです。
この関心の無さは、ここに記載されているその他の障壁が主因とも言えます。メーカーが様々なサイズの鍵盤を大量生産する態勢が整っていないため、もしそれが認められたとしても、滅多にない縮小鍵盤の注文は『特殊』なものとみなされ、したがって、価格の高騰や長い納品待ちが発生する可能性があります。


Attitudes and misconceptions
考え方と誤解

1. 容易に誤りであることを証明できる間違った思い込み
その最もよく見られるものは、異なるサイズの鍵盤に適応する中で、そして同様に鍵盤の間で交換する際にも、ピアニストが克服し難い困難を抱えると間違って信じられているということです。
それにもかかわらず、バイオリニストが大抵どのようにして小さい楽器から始めているか、そして中にはバイオリンとビオラを度々切り替える人もいるということに注目してください。また、フルート奏者がピッコロに交換したり、クラリネット奏者が別のクラリネットに交換したりするかもしれません。
参照: Need for Narrower Keys/5. Feedback from pianists who have tried ergonomically scaled piano keyboards (ESPKs).
もう1つの見当違いな臆測は、現在アコースティック・ピアノに利用できる縮小鍵盤が、そのサイズのために音量または音質の点で劣っているに違いないというものです。しっかりした人間工学的な原則や、ピアノ奏者の最大数に合っているだろうということで、最終的に現在の鍵盤のサイズが確定したと思い込んでいる人もいます。
これは事実ではなく、現在の鍵盤は1880年代後半の特定のヨーロッパ人男性の名演奏家にとって弾きやすいと判明しているものです。

2. 『状況はこれからも変わらない』という意識のため、ピアニストは大きさの異なる鍵盤に移ることや、さらにはそれを試すことすら意味が無いと思っているのです。
また、複数の鍵盤のサイズを持つことはピアノメーカーにとって『あまりにも困難かコスト高』で、結果的に価格の高騰を伴うだろうと人々が思うこともあります。ですが、選べる鍵盤という選択肢があれば市場を拡大できる可能性があると、メーカーもいずれは認識するでしょう。
状況が大きく変わるには時間がかかるかもしれませんが、長期的な視点を持ち、予見できないことの多い成り行きで革新するという多くの産業が持つ可能性についてよく考えることが重要で、素晴らしい音色と、鍵盤の大きさをすぐに変更できる切替装置を持つピアノが目と鼻の先にあるかもしれません。
参照: Vision for the Future

3. 選べる鍵盤に触れる経験の不足。
これまでに細幅鍵盤のピアノを弾いてみる機会を得たことのある存命中のピアニストはほとんどいません。つまり、典型的な手の小さいピアニストは、自分の手のサイズに合った鍵盤を弾くと、全てのことがどれだけ容易になるかを自覚していないということです。
クリス・ドニソン(Chris Donison)氏は、「手の大きい演奏者が上級の曲目を弾く頃には彼らの手が十分な大きさになっているため、彼らは手の小さい演奏者と同じ問題を経験したことが無く、そして手の小さい演奏者は、大きな手のある感覚を経験する機会を得たことがない。」という重要な所見を述べています。

50年前のスキーヤーたちは、(もっと短く、しなやかで軽くなった)今日のアルペンスキーで、どれくらいスキーがはるかに楽になり得るか想像できたでしょうか。

手の大きなピアニストが、さらに大きな、彼らにとっては大きすぎる鍵盤で演奏することを強いられるという興味深い実験を想像することもできます。
そのような実験は『残酷』だと批判されるでしょう。ですがこれは今現在、子供たちは言うまでもなく、成人のピアニストの半数以上の身にも起きていることなのです!

4. 特定の著名なピアニストの手の大きさについての誤った、または裏付けに乏しい憶測。
特定の著名なピアニストは『手が小さかった』という主張を聞いたり読んだりすることはよくあることです。しかしながら大抵の場合、このような主張をしている人たちは、言及したピアニストの正確な手のスパンも知らなければ、彼らが『平均的な』手のスパンや、男女差や人種差などといった社会全体の実際の手のスパンの違いについての正確な概念を持っていることもまずありません。
実際にはその届く範囲が驚くほど大きいかもしれないのに、指の細い比較的痩せた手が『小さい』と見なされる場合があります。ピアニストにしては『小さい』と見なされることがある手は、全人口を考慮すると、事実上平均を上回っている可能性があります。
『手が小さい』と言う男性ピアニストは、多くの場合、『男性にしては小さい』というのが真意ですが、実際にはほとんどの女性と比べると大きいのです。世界的に有名なピアニストは、厳しく選抜された集団を代表する他のトップピアニストの非常に大きな手と自分たちを比較しているのに、自分の手は『小さい』と言っている可能性があります。
アリシア・デ・ラローチャ(Alicia de Larrocha)は、彼女の身長だけに基づく思い込みで、よく『手が小さかった』と言われているピアニストです。ですが、全盛期には10度届いていたと彼女自ら語っており(そしてこのことは、楽譜を辿りながら彼女の初期の録音を聞くことで確認できます)、これは成人女性の80%以上の域を超えた仕事です。


もちろん、手の小さいピアニストの中には、こだわり抜いたり、障害を逃れる幸運に恵まれたり、賢明に曲目を選択たりしたおかげで、並外れて上手くできている人もいます。ですが、もし彼らの要望により良く合った鍵盤があれば、彼らはほぼ確実にさらに高い水準に到達し、さらに幅広い曲目を弾く機会があったでしょう。
例えば、ショパンやラフマニノフのエチュードを国際的なレベルで完全にレコーディングしたことのある女性ピアニストは何人いるでしょう。ほとんどの人が人前で発表したり録音することにしたりする曲目で、否応無く選別せざるを得ません。
他の全てが同じなら、手のスパンと鍵盤のサイズの不適当な組み合わせは、コンサートの演奏レベルで(バロック音楽や初期のクラシックの域を越えた)幅広い曲目を演奏したいと思っているピアニストを不利な立場に置きます。
参照: Need for Narrower Keys

5. 『手のスパンは問題にならない』という一部の教師から受け継がれてきた見識。
生徒に『全てテクニック次第』であり、技術的な課題を『回避する方法を見つけること』だと教える教師が多過ぎます。このような考え方は、人間工学や生体力学に関する確立された科学的原理の検討、あるいは様々な大きさの鍵盤を使った演奏や指導の実地経験のどれにも裏付けられていません。
この上なく無情なことに、生徒(主に若い女性)が自分の困難は全て自分の手のスパンではなく、練習不足や才能の無さに関係していると思い込まされている場合があり、実際には手が小さければそもそも物理的にそうすることが出来ないのに、自分たちは大いなる高みに到達できるかもしれないと信じているのです。
オットー・オルトマン(Otto Ortmann)がこのことについて1929年の頃に触れています。
参照: Need for Narrower Keys/4. Basic principles of ergonomics and biomechanics

6. 小さい鍵盤を使うのは『ずるい』。
手の小さい人たちにすれば、標準鍵盤を使う手の大きなピアニストこそ『ずるい』と言うのが当然の返答です。それか、ピアノの部品を調整しているピアニストがずるいかどうかを質問します!

7. 純粋に物理的な目的を持つスポーツとの不適切な比較を行う。

例えば、誰が一番速く走ったり泳いだりできるか、または一番高く跳ぶことができるかを判定することが目的の場合です。多くのスポーツにおいて、一流のレベルに到達できるには体形や身体の大きさが重要だということが通説かもしれませんが、ピアノ演奏の目的は、誰が最短時間で最も多くの音符を演奏できるかを調べることではないということを忘れないでください!演奏者を満足させ、聴衆を楽しませるため、美しい音楽を生み出すことが目的のはずです。
鍵盤の弾きやすさが向上すると、より安全で心地よく演奏できるようになります。
芸術性が重要な特定のウィンタースポーツでは、競技者が最も大きな競技者に合った同じ器具を使わざるを得ないことで不利な立場に置かれるのではなく、自分たちの身体の大きさに最も合った器具を選べることが当然のこととされています!

8. 以下をはじめとする、実際には小さい鍵盤から恩恵を受ける可能性のあるピアニストによるいくつかの『思考の途絶』

  • 『自分にとって物事を難しくするという挑戦を堪能する』という意味のない自己虐待。

  • そのような鍵盤を試すことは、(今までわからなかったこと・隠されていたものを)明らかにし、それによって自分にとって天地がひっくり返るような衝撃を受けるかもしれないという潜在意識の恐怖。
    具体的に言うと、彼らは自分たちにとって大きすぎる鍵盤での長時間の練習に、多くの無駄な時間が含まれていたということに気付くのを恐れているのかもしれません。

  • そのような鍵盤を『必要としている』と思われたくない男性ピアニストには、恐らく細幅鍵盤を使うことがどういうわけか『意気地なし』と感じやすい傾向にあります。
    特に現在のコンサート会場での可用性の不足を考えると、そのアイデアに何らかの関心を示すことによって自分たちの演奏実績が不利になるかもしれないことを恐れているのかもしれません。

  • 『自分も若い頃は痛みに苦しんだし、手が小さいことでもたらされた更なる課題を克服せざるを得なかったのだから、他の人もそれに耐えることができる。』

  • 『苦痛を伴いながら弾くことで音楽に対する洞察力を高めることができるかもしれない。』

  • ピアノの鍵盤は『畏敬』するに値し、時の試練に耐えて後世に残ってきたものである。
    (参照: Need for Narrower Keys/ 1. The History)

  • 小さな鍵盤は『おもちゃ』または『本物のピアノではない』。
    では、モーツァルトやベートーベンは何を使って作曲していたのでしょう。

これらのような、よく目にする異議の一覧といくつかの提案された回答については、下記の文書をダウンロードしてください。

日本におけるサイズの選べる鍵盤への支持を得ようとした動きの歴史に関する興味深い視点については、以下をご参照ください。
http://littlehands782.blogspot.jp/2014/01/the-history-and-attitudes-to-smaller.html

Donison, C.(ドニソン・C)(2000年)
Hand size versus the standard piano keyboard.(標準のピアノ鍵盤と比較した手のサイズ。)
Medical Problems of Performing Artists, 15, 111-114.(アーティストの医学的問題、15、111-114。)
http://chrisdonison.com/keyboard.html

PDF
pask_common_objections_and_responses_july_2018.pdf
Download File




音楽家の手の専門医である酒井直隆医学博士が、世界中の博物館や美術館を回って昔のピアノの鍵盤幅を測定され、「細幅鍵盤のススメ」というブログの中でその酒井博士の論文が紹介されています。

研究者 酒井直隆先生による手の大きさと鍵盤幅についての文献
http://smallkeyboard.blog35.fc2.com/blog-entry-130.html

この論文によると、18世紀後半から19世紀前半に平均的に3~6mm(※)細かったとのことです。
この数値から計算すると、18世紀後半から19世紀前半まではオクターブが平均で160mm~161.5mmくらいで、これが平均であることを考えると、恐らくもっと幅のバリエーションがあったと思います。
実際、ショパンが使っていた鍵盤は、現在のものよりオクターブ毎に1cmくらい細かったそうです。

酒井直隆医師は、ドの左端から次のドの右端で測定されています。
http://www.steinbuhler.com/html/measuring_an_octave.htmlを参照 。

モーツァルトが1756年~1791年、ベートーベンが1770年~1827年、シューベルトが1797年~1828年、ショパンが1810年(若しくは1809年)~1849年、シューマンが1810年~1856年であることから、これらの名立たるクラシックの巨匠たちは、自分の手の大きさに合った(現在のピアノの鍵盤より幅が細い)鍵盤を使って演奏や作曲をしていたことが分かります。
少なくとも、大きすぎる鍵盤でどうにかしていたわけではないようです。

作曲家が自分の手の大きさに合った鍵盤を使って作曲したものを、全く手の大きさに合っていない(大きすぎる)鍵盤で弾くことを余儀なくされている現在の状況・・・どのように思われるでしょうか。

この事実を踏まえた上で、細幅鍵盤(鍵盤幅を自分の手の大きさに合わせること)を“邪道”もしくは“甘ったれ”と考える方々に、今一度お聞きしてみたいです。
このクラシックの巨匠たちは、自分の手の大きさに合った鍵盤を使うという“邪道”な手段に逃げた“甘ったれ”だったのでしょうか?

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細幅鍵盤を試したピアニストからの反響・主なピアノ・コンクールと演奏経歴での成功における男女差 - PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS(和訳)

海外の方が作成した細幅鍵盤関連のサイト、PASK - PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS(サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト)の内容を和訳して紹介しています。
このページでは、サイトのメニューの2つ目、『Need for Narrower Keys』という項目の和訳を掲載しています。

※ この翻訳文の元となる英語サイトの更新に伴い、翻訳文も2018年11月19日に更新しました。


※ 下の各図が見づらい場合は、図をクリックしていただくと大きな図が表示されます。


PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS
サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト
PASK_000

Need for Narrower Keys
細幅鍵盤の必要性

Human hands are not all the same - neither should piano keyboards be!
人間の手はすべて同じではありません。そして、ピアノの鍵盤も同じであるべきではありません!


NEED FOR NARROWER KEYS
細幅鍵盤の必要性

PASK_003

『私はピアニストが自分の手幅に合った鍵盤に初めて手を置くところに度々立ち会います。そのピアニストが自然と泣き崩れることがなんて多いことでしょう。ずっと克服不可能に見えていた問題に悩み続けた今までの人生が、「問題なのは自分ではない。楽器だったのだ!」という気付きとともに消え去る瞬間です。それに続いて、「可能性」の喜びに圧倒されます。』
(2015年、キャロル・レオーネ博士(Dr. Carol Leone)、テキサス州ダラス、南メソジスト大学で鍵盤楽器研究を担当。)

男性、女性、子ども、そして様々な人種のグループを考慮すると、現在のピアノの鍵盤のサイズが、ピアノの演奏人口の大部分に合っていないという決定的な証拠が存在します。

その証拠は、以下の様々な視点を基にしています。

  1. ピアノの鍵盤の歴史。
  2. ピアニストの手のスパンのデータの分析。
  3. ピアニスト間での痛みや障害を手の大きさと関連付ける査読を経た研究。
  4. ピアノの演奏に応用されている、人間工学と生物力学の分野で認められた科学的原理。
  5. 現在利用可能な縮小サイズの鍵盤を試したピアニストからの相次ぐ例証。
  6. 国際的なピアノ・コンクールの結果、および成功を収めた国際的な演奏経歴を保持したピアニスト間の両方における男女差の分析。

PASK_005


1. The history
1. 歴史

1880年代以前は、ピアノの鍵盤は今日より一般的に小さいものでした。様々なサイズのものが使えていたのです。特に女性向けとして売り込まれたピアノが存在していました。

しかしながら、1800年代後半に、フランツ・リスト(Franz Liszt)のような当時の有名なヨーロッパの名演奏家の演奏に聴衆を集めるための大きなコンサート・ホールの建設によって、ピアノの売り上げを増やすためのピアノ・メーカーによる動きがありました。これらのホールは、大きくてさらに力強い楽器を必要としました。

その他の集団のニーズに対する検討がなされずに、19世紀後半の男性名演奏家向けに設計された鍵盤の形態が、今日私たちにあるものなのです。

20世紀初頭の名高い巨匠、ヨゼフ・ホフマン(Josef Hofmann)は、スタインウェイが彼のために特別に製作した、僅かにキーの幅が狭いものを所有していましたが・・・実際にはオクターブの幅が普通より0.5 cmだけしか小さくありませんでした。(さらなる詳細については、www.smallpianokeyboards.org/keyboard-history.html(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-72.html)にアクセスしてください。)分数で表現すると、その鍵盤幅は標準幅の31/32で、DS6.0®(15/16)と6.5インチ・オクターブの今日の『標準』鍵盤との間のほぼ中間になります。
彼の手のスパンは特に小さいわけではありませんでしたが、大半の成人女性より大きくても、当時の多くの他の著名な男性コンサート・ピアニストよりは小さかったのは間違いありません。彼ですら、『もっと大きな手』が欲しいと思っていたのは興味深いことです。以下の写真をご参照ください。

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幸運にも、過去10年ほどの間に、アメリカにある1つの小規模メーカー(Steinbuhler & Company)が細幅鍵盤の必要性に気付き、奨励しています。
具体的に言うと、人間工学的に小さな手に適した鍵盤をモダン・ピアノに取り付けて、その豊かな音色を生かすことが可能となります。
この「改造」は、彼らの楽器の音色にとって重要ではない、88個の細幅のキーをピアニストに贈ります。その他、委託により小さい鍵盤を製造するメーカーには、ラウクフフ(Laukhuff)やスタインウェイ(Steinway)も含まれています。
Resources, Links and Getting Involvedをご参照ください。)

このようにして、少しずつ、ですが非常にゆっくりと、ピアニストが選択権を手に入れています。
女性や、10代の若者や、子供たちが男性用の服を着たり、同じ大きさの自転車に乗ったり、大きなスキーでスキーをしたり、そしてまた、全く同じ大きさのバイオリンやチェロを弾くなんて、私たちは全く思っていません。私たち全員にこれらの全てのもののサイズの選択肢がありますが、なぜそのようにピアノの鍵盤のサイズの選択肢も無いのでしょう。

参考: www.smallpianokeyboards.org/keyboard-history.html
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-72.html


2. Hand span data
2. 手のスパンのデータ

男女間の手の大きさの変動は大きな影響を与え、子供が含まれている場合はそれがさらに大きくなります。

平均して、成人男性の手の(親指から小指までの)幅が成人女性よりも約1インチ(もしくは2.5 cm)大きいということを、有効なデータが示しています。これは、現在の鍵盤では、男性が平均して白鍵1つ分以上余分に届くことを意味しています。
http://www.smallpianokeyboards.org/hand-span-data.html(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-78.html)をご参照ください。

8.5インチ(21.6 cm)の幅が、『小さい』手と『大きい』手とを分ける重要な基準となります。
この時点まで、ピアニストは必死で10度を弾こうとし、そして何より、オクターブや大きな和音の高速のパッセージは弾き心地が悪くなり、痛みや緊張を伴うこともあります。
利用可能なデータによれば、成人男性の約76%が8.5インチ(21.6 cm)以上届く手のスパンを持っていると推測されていますが、これでは(わずかな割合ではない)約24%の10度を弾けない男性が見捨てられています。
女性に関してはそれが逆で、弾けない87%と共に、10度を弾けるほど大きな手を持つ成人女性が13%しかいないと推測されています!

通常手がより小さい一部の人種はそれ以上に不利な立場に置かれています。
(2015年のオーストラレーシア・ピアノ教育学会議で発表、公開された)近年のオーストラリアの研究に基づき、アジア人女性ピアニストの90%以上のスパンが8.5インチ(21.6 cm)に満たないと見受けられます。
子供たちは彼らの手に合った鍵盤で学ぶことの利点を得られていません。
高齢者は加齢に伴って自分のスパンが縮小していることに気付くかもしれません。

子供の手のスパンに関する小規模な研究が、成人女性と低年齢小児(12歳未満)との間にかなりの重複部分があることを示しています。つまり、かなりの割合(ほぼ3分の1)もの女性の手が子供のサイズだということです。

以下の写真は『平均的な』女性と男性の手を比較していますが、男性の手は非常にリラックスしてオクターブを弾いており、オクターブを滑らかに仕上げることができます。
男性の9度は女性のオクターブに相当しており、親指がキーの前面に接近し、平らになった手やいっぱいに広げられた指のせいで力が低下し、幅のあるパッセージの間中ずっと手に緊張も生じます。
女性の9度は男性の10度に相当し、先端で辛うじて演奏できます。

さらなる詳細については以下をご参照ください。
http://www.smallpianokeyboards.org/how-many-pianists-have-small-hands.html
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-81.html

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3. Research linking hand span to pain and injury
3. 手のスパンを痛みや障害と関連付ける研究

標準鍵盤を使用するピアニストについての査読された疫学及び臨床研究は、小さな手のスパンと痛みや負傷の因果関係を立証しています。

この因果関係は、様々なサイズの鍵盤を使用するピアニストの演奏や健康転帰を比較する、米国における最近の研究によって裏付けられています。
細幅鍵盤に変えているピアニストは、事実上、『より大きな手』を手に入れています。

女性ピアニストははるかに大きな危険を冒しており、痛みや負傷が男性よりもおよそ50%上回っています
いくつかの研究では、女性ピアニストの70〜80%が、一生のある時期に、演奏に関連する痛みや負傷に見舞われることが分かっています。

子供や10代の若者も、ピアノ演奏に関連する痛みや負傷に悩まされていることが分かっています。
手の大きさと教えられた曲目との間の不一致が要因となることがあり、ピアノ教師はこの件について注意を払う義務があります。

参考: www.smallpianokeyboards.org/pain-injury-and-performance-quality.html
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-95.html


4. Basic principles of ergonomics and biomechanics
4. 人間工学と生体力学の基本原理

手の小さいピアニストは、手の大きい演奏者よりも手首の[筋肉の]外転(体の中心線から外に向かう運動)や、伸展(手足の関節を曲げた状態から伸ばすこと、または伸ばした状態)や、逸脱による負傷の危険性がより高くなっています。

大きな和音、オクターブ、アルペジオは、『解剖学的に中立的な』弛緩位(緩んだ位置)から小さい手を繰り返し追いやります。更に小さな手は、キーを取る際に手をより大きく動かす必要があるため、生物力学的に不利な立場にあります。
これらの要因は、痛みや負傷の危険性がより大きくなることに加えて、パワー、速さ、正確さ、そして音色のコントロールが失われることを意味します。

それらの限界値寸前よりはむしろ、その範囲の中間近くで動く筋肉や関節の方がより広範な動的応答があります。
これは、手の小さい人は極限のところで動いており、そのために効率的ではなくなる傾向が強い一方で、手の大きい人は最適な範囲内で動いている傾向が強いことを意味しています。

それ以上伸ばさなければならないことで、手の小さい人たちは筋肉の緊張を強めることを強いられます。このことによって、パワーやコントロールが徐々に失われるだけでなく、弾き続けるための精神的な努力の増加につながります。
音楽的才能に焦点を合わせる能力はこのようにして損なわれるのです。

『手の幅、指の長さ、指の[筋肉の]外転の三要素・・・これが、協調運動や学習姿勢の欠陥によるものとしばしば誤認されている、驚くほど多くの技術的困難の原因となる。』
(オットー・オルトマン(Otto Ortmann)、1929年)

『極度に伸びた指で細かい動力学的な漸次的変化をつけるのは、生理的に不可能である。』
(オットー・オルトマン(Otto Ortmann)、1929年)

参考: http://www.smallpianokeyboards.org/pain-injury-and-performance-quality.html#evidence
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-95.html#20150815b

5. Feedback from pianists who have tried ergonomically scaled piano keyboards (ESPKs)*
5. 人間工学的にスケーリングされたピアノ鍵盤(ESPKs)※を試したピアニストからの反応

手の小さいピアニスト、特に親指から小指までの最大の手のスパンが8.5インチ(21.59cm)未満の人たちは、細幅鍵盤で演奏することがどれほど簡単かを圧倒的多数で報告しています。

さらにこれらピアニストは、学習時間が減少し、弾ける曲目が大幅に増加するとも報告しています。

重要なことは、これらピアニストは、自分たちには技術的障害を克服することよりもむしろ、はるかに大きな音楽自体に重点を置く能力があると報告していることです。

ほぼ例外なく、彼らは大抵、2、3時間以内と非常に速く小さい鍵盤に順応します。DS6.0®(6インチ・オクターブ)鍵盤に移行する人は、通常ほぼ瞬時に順応します。一旦順応すれば、彼らが『標準の』鍵盤で演奏できる作品については、ピアニストが必要に応じて標準鍵盤と小さい鍵盤の間を行ったり来たり乗り換えることができます。
これは、国を変わったときに道の『違う』側を運転するのを学ぶようなもので、ドライバーが最初の適応過程を経験してきていれば、彼らはこの先何年も両側を簡単に運転する能力を保持します。

『少なくとも2、3日は必要なのです・・・・・あなたが今までの人生でずっと直面してきた無駄な障壁の数々や、今まで失ってきたものが、実際は何であったのかを発見する旅に踏み出すまでには。これは、二本の指の間隔を広く伸ばすというだけにとどまる話では決してありません。それよりもはるかに深い話なのです。』
クリストファー・ドニソン(Christopher Donison)、2006年12月。

『(DS6.0®鍵盤付きの)ウォルターを手に入れる前、私には慢性的な腰痛や、解消されたことのない肩から下のこわばりがありました。少しのマッサージとDS6.0®に順応することによって、それが今はすべて消えてしまいました。私のテクニックや、姿勢や、楽しさが自然で楽なのです。道具が適正であることがその答えです。』
ロジャー・ジェイムズ(Roger James)、コロラド州デンバー、2015年。

グランドピアノでのシュタインビューラーの鍵盤の交換がいかに簡単か、初めてDS5.5®(7/8)鍵盤を試弾するピアニスト、2007年のMTNA会議で講演リサイタルを行うキャロル・レオーネ博士(Dr. Carol Leone)について示している、マリオ・アエロ(Mario Ajero)(marioajero.blogspot.com)によって撮影されたこれらのビデオをご参照ください。

Reduced-size keyboards Part 1:
http://www.youtube.com/watch?v=SBfDN9DBsnk
Reduced-size keyboards Part 2:
http://www.youtube.com/watch?v=yiF05uBej0c

参考: www.smallpianokeyboards.org/what-pianists-say.html
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-85.html

※ ESPK - Ergonomically Scaled Piano Keyboards(人間工学的にスケーリングされたピアノの鍵盤)とは、近年の学術文献で最も使われている用語で、通常のものとはキーの幅が異なる鍵盤を指します。

より詳しくお知りになりたい場合は、この資料をこちらからダウンロードできます。
PDF
pask_quotes_and_stories_march_2018.pdf
Download File


6. Gender differences in success at major piano competitions and with performing careers
6. 主要なピアノ・コンクールと演奏経歴での成功における男女差

成人男性がピアノ奏者全体で占める割合はごく一部に過ぎず、通常は高等教育機関やピアノ教師の間でも女性より少ないものの、彼らは主要な国際ピアノ・コンクールでの受賞者の一覧表やプロ・ピアニストの集団で多数を占めています。

バイオリン・コンクールの結果を見たときには、同じ男女差のパターンは発見できません。バイオリンは様々なサイズやデザインのバリエーションのある楽器で、手のスパンに関連する不都合によって生じる証拠が少ないものとして利用できます。
小さい型のバイオリンを弾き始めるという利点が普通に子供たちにあります。

過去100年にわたる主要な演奏家やレコーディング・アーティストは圧倒的多数で男性でした。
最もよく知られている女性アーティストの多くは、主にバロック音楽や初期の古典的な曲目を中心に取り組んでいます。

さらなる詳細や統計資料については、以下にアクセスしてください。
www.smallpianokeyboards.org/piano-competition-results.html
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-87.html


Conclusion - Size does matter
結論 - サイズは重要

他のすべてが同じなら、手の小さいピアニストは、現在の鍵盤では2つの主な点で不利になります。
1つ目は、彼らは痛みや障害に苦しむ可能性がより高いということです。
2つ目は、彼らにとってはかなりの割合のピアノ曲が除外されており、多くの作品は物理的に演奏することが不可能で、彼らは難しい曲目を学ぶのに大変な苦労をするということです。
これら2つの要因とは、こうして彼らが一流の実績の基準に達するのが妨げられることを指しています。

研究や多くの事例証拠では、手のスパンが8.5インチ(21.6 cm)以下のピアニストが小さい鍵盤を使うことでかなりの恩恵を受けるということを示しています。この測定基準を使うと、成人男性の23%、そして成人女性の87%が恩恵を受けることになります!
そして、最大で9インチ(22.86 cm)までのスパンの成人男性からの証言によれば、いくつかの曲目、とりわけ、ラフマニノフ、リスト、グレインジャー、ヴァインなどの非常に手の大きい作曲家によって書かれた作品に関しては、彼らですら6.0インチ・オクターブの鍵盤を好むことが示唆されています。

キーの幅の狭い鍵盤は差別の解消に有用となります。(各キーが『一般的な』ピアノの鍵盤の幅の約7/8である)5.5インチの鍵盤は、男性が女性以上に持つ1インチ(2.54 cm)の優位性を解消します。
5.5インチと6.0インチのオクターブの鍵盤を利用できれば、『手の小さい』ピアニストの割合を劇的に減らせるかもしれません。
以下をご参照ください。
http://www.smallpianokeyboards.org/how-many-pianists-have-small-hands.html#proportion
(和訳版: http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-81.html#20150410c

どちらの性別の子供も、ほとんどの大人よりもなお一層手が小さいですが、現在は男性向けのピアノで習うことを余儀なくされています。

結局のところ、最も重要なのは、ピアニストとその聴衆が体験するような音楽そのものです。
聞き手は素晴らしい、音楽的経験を誘うことを望んでおり、そしてピアニストは、技術的な問題について考えるのではなく、音楽に『夢中』になれることを望んでいます。

『ピアノで音をコントロールする能力、これは強弱の幅が広く精密に形作られたフレーズだけでなく、美しい音色も作り出すことを意味し、楽に演奏できることに大きく左右されるのです。』
(マックス・クック(Max Cooke)、1985年)

かつて1929年にオットー・オルトマン(Otto Ortmann)によって認識されたように、完全ではないが満足のいく程度に鍵盤と調和したピアニストの手などの人間工学的な要素は、技術的な容易性に影響を及ぼす重要な要因です。
縮小された鍵盤によって、ピアニストがさらに高い水準に達することができ、聴衆も彼らと共に夢中にさせられるのだとすると、その上でなぜ世界の細幅鍵盤ピアノを認めないのですか?


Boyle, R., Boyle, R. & Booker, E.(ボイル・R、ボイル・R、& ブッカー・E)(2015年)
Pianist Hand Spans: Gender and Ethnic Differences and Implications for Piano Playing.(ピアニストの手のスパン: ピアノの演奏に対する性別や人種の差と影響。)
Proceedings of the 12th Australasian Piano Pedagogy Conference, Beyond the Black and White, Melbourne, July 2015.(第12回オーストラレーシア・ピアノ教育学会議の議事録、白黒(二者択一)の域を越えて、メルボルン、2015年7月。)
http://www.appca.com.au/2015proceedings.php

Cooke, M.(クック・M)(1985年)。
The Advanced Pianist's Tone, Touch and technique.(上級ピアニストの音色、タッチ、テクニック。)
Allans, Melbourne, Australia.(Allans Billy Hyde、オーストラリア、メルボルン。)

Leone, C.(レオーネ・C)(2015年)
Ergonomic Keyboards: Size does Matter.(人間工学に基づく鍵盤: サイズが重要(問題)である。)
Piano Professional, EPTA (UK), Summer.(ピアノ・プロフェッショナル、European piano teachers association - ヨーロッパ・ピアノ教師協会、夏季。)
http://www.carolleone.com/ergonomic-keyboards/

Leone, C.(レオーネ・C)(2015年)
Size is Key.(サイズが解決の鍵である。)
Clavier Companion, Frances Clark Center for Keyboard Pedagogy, USA, September/October.(クラヴィエ・コンパニオン、鍵盤教育学フランシス・クラーク・センター、アメリカ、9月/10月。)
http://www.cicadabay.com/pianos

Ortmann, O.(オルトマン・O)(1929年)
The Physiological Mechanics of Piano Technique.(ピアノ・テクニックの生理学的機構。)
Kegan Paul, Trench, Trubner & Co., London, and E.P. Dutton & Co., Inc., New York.(ケガン・ポール、トレンチ、トリューブナー社、ロンドン、およびE・P・ダットン社、ニューヨーク。)
https://books.google.co.jp/books/about/The_physiological_mechanics_of_piano_tec.html?id=hcwJAQAAMAAJ&redir_esc=y




もし違う幅の鍵盤に慣れてしまったら、今までの鍵盤では弾けなくなるのではないかと思ってらっしゃる方も多いのではないかと思います。
かく言う私もそうなるような気がしている方ですが、この事に関しては中田喜直さんも、ご自身の著書『音楽と人生』随筆集の第4章「日本人と、ピアノ」の中で、幅の狭い鍵盤に慣れても、細幅鍵盤と標準鍵盤の両方が弾けるというようなことを仰っていますし、ポーランド出身のピアニスト、ヨゼフ・ホフマン氏も、自分用の細幅鍵盤ピアノが持ち込める時はそれで弾き、出来ない時は普通のピアノを弾いたということから、違う幅の鍵盤が幾つかあっても、ちゃんとそれぞれに適応する能力が人間には備わっているようです。

ちなみに、PASKの主要メンバーの1人であるキャロル・レオーネ博士は、スタインビューラーの動画内で標準鍵盤と7/8鍵盤を弾かれていて、昨年のAPPCA会議(オーストラレーシア・ピアノ教育学会議)で15/16鍵盤を弾かれていることから、3つのサイズ全て弾けるようです。

とは言え、当然のことですが、指が伸びるわけではないので、これはあくまでも自分の手の大きさで弾ける曲であれば・・・という話で、元々標準鍵盤で指が届かない部分までが弾けるようになるわけではないようです。

細幅鍵盤への移行に関しては、うまくいくのか心配されている方が多いかとは思いますが、思ったほどは時間がかからないようです。
ロンダ・ボイルさんが仰るには、15/16鍵盤への移行の場合は殆どの人がすぐに順応するそうですが、7/8鍵盤の場合は、やはり変化の幅が大きい分、多少の時間がかかるとのことです。
その過程で意欲がそがれてしまう方も実際いらっしゃるようなのですが、それでもそこからもう少し練習を続ければ、大抵の人が数時間か、最長でも2、3日くらいで弾けるようになるそうです。

私含め、相当に手が小さい人(おそらくオクターブぎりぎりか、届かないくらいの人)などは7/8鍵盤が適しているわけですが、そういう方の中にも最初は15/16鍵盤の方が弾きやすいように感じる方もいらっしゃるようです。
それはやはり手をめいっぱい広げて弾く癖がついてしまっているからなのだと思いますが、そういう方も7/8鍵盤での練習を続ければ、最終的にはこっちの方が自分に合っていることに気付かれるそうです。

やはり手が小さければ小さいほど標準鍵盤での無理のある弾き方の癖がついてしまっているので、その癖の修正も含め、7/8鍵盤への移行には、ある程度の大きさの手(最大限広げて1-5間が約21.5 cm以上)の人が15/16鍵盤へ以降するよりも、若干の時間がかかる傾向があるようです。
この件に関して中田喜直さんも、“(細幅への移行の時)手を最大限広げて指を固定し、それが丁度オクターブという手の小さい人が、九度の方に時々間違えることがあった。間違った弾き方の人が間違えるのだが、(オクターブ毎に)五ミリ位より、一センチ狭い方が、より大きく、はっきりとその効果があらわれる。”と仰っています。

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著名なピアニストにも細幅鍵盤を使っている人が居ます!

PASKを通じて、細幅鍵盤を推奨するピアニストの方々の言葉と、その他の細幅鍵盤に関する情報が届いているので紹介させて頂きます。




オーストラリアのピアニスト・教師・作曲家のイアン・マンロー氏の細幅鍵盤への言及:

“The principle is one that seems so obvious and positive that I have never understood why it wasn't adopted generations ago. The fact is, most people cannot play all the repertoire they would like to. It's almost funny how many small-handed pianists come to me wanting to play Rachmaninov. More often, though, it's music of unremarkable technical demands that requires only a natural fall of the hand over a range of notes that is just that fraction too wide for comfort, leading to all the stress, insecurities and bad practices that are the bane of so many gifted colleagues' daily experience. I'd be thrilled if this situation were to change, even in a very gradual and limited way, and am pleased that Kawai are waking up to this.”

「なぜそれが一世代前に受け入れられなかったのかが全く理解できないほど、原理は一目瞭然で疑いようが無いように思える物です。実は、ほとんどの人々が、自分達が演奏したいレパートリーを全て弾けるわけではありません。ラフマニノフを弾きたくて、私のところに小さな手のピアニストがどれほどやって来るかは、思わず笑ってしまうくらいです。非常に頻繁ではありますが、ただあまりにも広すぎて痛みが和らがないほんの一部の音符の範囲にわたって手の自然な衰退だけを要求する、平凡な技術的要求の音楽であり、すべてのストレスに結びつき、非常に多くの才能のある同業者の日常体験の悩みの種であり、不安定で悪い慣習です。この状況が変わるなら幸いで、非常に段階的で限られた方法であっても、カワイがこれまで目覚めているのを嬉しく思います。」



2008年のニューヨーク・タイムズ掲載の、アルゼンチン出身のユダヤ人ピアニスト・指揮者のダニエル・バレンボイム氏とのインタビューでの細幅鍵盤への言及:

A Whirlwind Named Barenboim
(記事の12段落目)

「それら2つは、音楽家が、音楽的に洗練されているだけでなく、教養があり博識な人物でなければならないことを、今もなお私に示しています。」ある晩遅く、自宅で大きなキューバの葉巻を吹かしてバレンボイム氏が言った。彼は、ツェーレンドルフ近くの緑の多いベルリンの自分の居間で、安楽椅子に身を落ちつけ、1組の巨大なスタインウェイの前に座った。1つは、彼が最近リサイタルで使用するのが好きな狭い鍵盤が取り付けられている。彼の後ろの本棚は、フランス語、スペイン語、ドイツ語、英語、そしてヘブライ語の本で一杯だった。




PASKを通じてこういう情報を受け取る度に、細幅鍵盤に関する情報が日本には全く入ってきていないとつくづく感じますこういう方々をもっと日本のマスコミも取り上げてほしいものです。
バレンボイム氏が細幅鍵盤を使ったリサイタルを日本でもしてくれるといいんですけどね~

それと、前々回の記事で、アメリカで細幅鍵盤ピアノを導入する大学がもう1校増えそうだと書きましたが、この度、オハイオ州のクリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学が研究用にスタインビューラーの7/8鍵盤を導入したという知らせが今月の4日に入りました。
これで、アメリカで細幅鍵盤を入れている大学が9校に増えました。

オーストラリアの大学でも細幅鍵盤を導入してもらおうと、現在ロンダ・ボイルさんとエリカ・ブッカーさんが働きかけていて、有力候補が1校あるそうです。
ロンダさんは最近のAPPCA会議(オーストラレーシア・ピアノ教育学会議)に3回参加され、細幅鍵盤の必要性を提示されたとのことですが、昨年にはキャロル・レオーネ博士も会議で15/16鍵盤での講演リサイタルをされ、その甲斐あってオーストラリアのピアノ界では、細幅鍵盤への関心が徐々に高まっているそうです。

更に、オランダ、フランス、アイルランドからも自国で細幅鍵盤を普及させたいという声が上がっていることを受けて、今年の7月上旬にセルビアで開催されるEPTA(European Piano Teachers Association - ヨーロッパ・ピアノ教師協会)会議に、エリカさんが参加され、プレゼンをされる予定になっているそうです。

あと、前々回の記事でもアメリカの中古の細幅鍵盤ピアノの情報を書きましたが、オランダでも1台売り出されているそうです。
1980年代にニューヨークのピアノ修復家によって造られた、7/8鍵盤のスタインウェイM-170で、お値段は1,400ユーロ、日本円で約194,108円(2/7/2014 11:20pm時点)とのことです。ていうか、安っ!!スタインウェイでも中古ってこんなもん!?状態がちょっと気になりますね
Piano keyboard special 7/8 scale made for Steinway Model M
※追記: もしかして・・・と思って確認してみましたところ、これはスタインウェイM-170用の鍵盤(アクション)部分だけだそうですやっぱりね~

それと、細幅鍵盤電子ピアノ(若しくはキーボード)に関しての情報ですが、現在、アメリカの男性が15/16鍵盤のものを(おそらく中国メーカーに)製造してもらおうと取り組んでいるそうです。


今後も、情報が入り次第お知らせ致します

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鍵盤のサイズを選べるようにするため活動する国際的な運動 - PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS(和訳)

海外の方が作成した細幅鍵盤関連のサイトがいくつかあるのですが、その1つである、PASK - PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS(サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト)というサイトの内容を紹介させていただきます。
このページでは、そのサイトのトップページ、『What is PASK?』という項目の和訳を掲載しています。(訳がおかしいところはご愛嬌ということで・・・

※ この翻訳文の元となる英語サイトの更新に伴い、翻訳文も2018年9月6日に更新しました。




PIANISTS FOR ALTERNATIVELY SIZED KEYBOARDS
サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト
PASK_000

What is PASK?
PASKって何?

Narrower piano keys widen musical horizons for many!
縮小したピアノの鍵盤が多くの人の音楽の幅を広げます!

Clavier Companion(クラヴィエ・コンパニオン(鍵盤の友))誌(2015年9月/10月)の編集者、ピート・ジュートラス(Pete Jutras)氏より:
『細幅鍵盤がこの業界と音楽の世界にもたらす可能性にワクワクします。
この鍵盤があればピアニストが快適に演奏し、怪我が避けられる。すばらしいチャンスだと思います。
ピアニストが音色や芸術性にもっと焦点をあてて練習できるようになります。期待に胸が高鳴ります。』


PLEASE SIGN OUR PETITION!
私たちの請願書にご署名をお願いします!

Need piano keyboards that fit our hands | Online Petition
私たちの手に合うピアノの鍵盤が必要です | オンライン請願

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PASK_001
PASK_002

WHAT IS PASK?
PASKって何?

PASK - Pianists for Alternatively Sized Keyboards(サイズの選べる鍵盤を支持するピアニスト)とは、ピアノの鍵盤のサイズに関連する変更の実現に取り組む国際的な運動です。

具体的に言うと、PASKは新しいピアノの購入者が自由に選べるようにするため、3つの規格サイズのピアノの鍵盤の製造に着手するよう、アコースティックとデジタル両方のピアノメーカーを納得させることを目標としています。現在の『大きな』サイズに加えて、キーの幅が狭い2つのサイズを追加する必要があります。
私たちはまた、コンサート会場の支配人、学者、ピアノ教師、そしてピアノコンクールの主催者に、この人間工学に基づいて調整されたピアノの鍵盤(ESPK)が学生や演奏者にとって大きな利益があるということを納得させるよう努めています。

現在のピアノ鍵盤は1880年代以降に主流となりましたが、人口全般の身体的な能力を考えて設計されてはいません。
しかしながら、現在のサイズがすべての人に適していると見なされ、正しいものとされています。ですが実際にはそうではなく、年齢層を問わず全ての国籍の男性、女性、子供を考慮すると、恐らく大半のピアニストにとってキーが広過ぎています。

現在の鍵盤サイズおよびキーの幅は、手の大きな人たち、一般に平均か平均以上のスパンを持つ成人男性に適したものです。
しかしながら手の小さな人たちにとっては、今日のピアノは技術的な問題や学習時間が著しく増加することを意味しており、音楽的な表現を制限し、大量のクラシックピアノの曲目に触れるのを阻み、そして何よりも悪いことには、消耗させるような痛みや怪我を引き起こす可能性もあります。

次の簡単な例えが真意を説明する良い例となります。
運動競技のレースで、全ての人が、どんなに大きくても背が高くても同じサイズの靴を履かなければならなかったり、女性アスリートが男性と同じサイズの靴で走らなければならなかったり、子供たちが男性や女性と同じサイズの靴で走らなければならなかったりすれば、それは理にかなっているのでしょうか。

下の専門用語に関する注意(Notes on terminology)をご参照ください。


Goals and Strategies
目標と対策

PASKの長期目標は、現在の『大きな』DS6.5™の鍵盤だけでなく、DS5.5®(7/8)とDS6.0®(15/16)の、DS規格に準拠した3つの規格のサイズの鍵盤をアコースティックとデジタル両方のピアノで選択できるようにすることです。
その新しい選べるサイズが容易に入手できるよう、そしてピアノを学ぶ学生や教える教師、アマチュアやプロのピアニストに当然ながら認められる選択肢となるよう、それらが世界中で量産、販売される必要があります。

このようになるためには、メーカーからの供給を働き掛けるだけでなく、ピアノ界からの需要を高めることの両方に焦点を当てる必要があります。これらが持ちつ持たれつの関係にあるのは明らかです。

手の小さいピアニストは団結して声を上げてキーの幅が狭い鍵盤を使う権利を要求する必要があり、ピアノ教師、大学、音楽学校はその利点を認識する必要があり、コンクールやコンサート会場は鍵盤の選択肢を演奏者に提供しなくてはなりません。

世界中のピアノメーカーはアコースティックのグランドおよびアップライト・ピアノ、そしてデジタル・ピアノの鍵盤のサイズの選択肢を提供する必要があります。サイズが選べる鍵盤は現在のところ限られた供給源からしか入手できず、割高で、顧客が長く待つこともしばしばです。主要なピアノメーカーはこの課題に取り組む必要があります。
世界中の著名なピアニスト、学者、教師からの公的支援が変化を生み出す鍵となる要因です。

この目標を達成するためには以下の3つの主要な戦略が必要です。

  1. 手が小さい人たちのために縮小された鍵盤の利点に対する認識を高める。
  2. ピアニストが細幅鍵盤を使った演奏の違いを体験できる機会を作る。
  3. 変化に対する障壁と抵抗を打破する。


PASK structure and founders
PASKの構造および創立者

PASKは公式に設立された組織ではありませんが、共通の目標を目指して活動する人々のネットワークです。

活動の中心を担うPASKの創設者は以下の3名です。

オーストラリア、シドニーのエリカ・ブッカー氏(Ms. Erica Booker)
ニューサウスウェールズ州立音楽院(New South Wales Conservatorium of Music)(現: シドニー音楽院Sydney Conservatorium of Music))の卒業生。ピアニストで、ピアノ教師および鈴木ティーチャー・トレーナー。そして、サイズの選べるピアノ鍵盤の主唱者。
ericabookerpiano.com/

テキサス州、ダラスのキャロル・レオーネ博士(Dr. Carol Leone)
ダラスにある南メソジスト大学Southern Methodist University)メドウズ芸術学校(Meadows School of the Arts)で鍵盤楽器研究を担当。国際的に認められているパフォーミング・アーティストであり、教師、講師および作家。そして、ピアニストの健康を促進する人間工学的なピアノ鍵盤に関する世界をリードする研究者および提案者の1人。
www.carolleone.com

オーストラリア、メルボルンのロンダ・ボイル氏(Ms. Rhonda Boyle)
元政府政策アナリストおよび物理学、環境科学、都市計画の資格を持つ戦略プランナー。ピアニストで、独自に研究を行う。そして、手のサイズとピアノ演奏に関連する査読済みの論文の著者。
www.linkedin.com/pub/rhonda-boyle/30/931/352
ツイッター: Rhonda Boyle@smallpianokeys


この3人の創立者に、ピアノやキーボードメーカーとの金銭的な関係はありません。

このPASKのネットワークは徐々に拡大しており、現在世界中に、PASKの目標を支援し、変化を促すため積極的に取り組む多くの人たちがいます。

もしあなたがPASKの活動メンバーになりたい、あるいは進展状況を把握しておきたい場合は、Resources, Links and Getting involvedをご覧ください。

“PASK - Summary for teachers & pianists”と呼ばれる概要資料がこちらでダウンロード出来ます。

PDF
pask_pianist-teacher_hand-out__august_2017.pdf
Download File


Notes on terminology
専門用語に関する注意

ESPKErgonomically Scaled Piano Keyboard(人間工学的にスケーリングされたピアノ鍵盤))という用語は、現在の『標準的な』サイズ、即ち、オクターブで6.5インチ(約16.5 cm)のものよりも小さい鍵盤を指すときに、現在主に学界で使用されています。
文献の中には『reduced-size keyboard(サイズを縮小した鍵盤)』という用語を用いているものもあります。また、キーの幅が『標準的な』鍵盤の7/8に近い(ですが全く同じではない)ために、DS5.5®が『7/8鍵盤』と呼ばれることが多いことにも留意してください。同様に、DS6.0®もしばしば15/16鍵盤と呼ばれます。ESPKとは、他のサイズの鍵盤、即ち、DS規格に当てはまらないものも含む総称です。
『DS』という略称は、Donison-Steinbuhler(ドニソン - シュタインビューラー)を表しています。(Chris Donison(クリス・ドニソン)氏とDavid Steinbuhler(デイビッド・シュタインビューラー)氏は、北米を中心に、アコースティック・ピアノ用のキーの幅を狭くしたピアノ鍵盤の導入を先駆けて進めました。)
PASK運動では、『reduced size(サイズを縮小)』が88鍵盤よりも数が少ないという意味を含むことがあり得るため、混同を避けるために一般に『alternative sizes(サイズが選べる)』という用語を使用しています。

• Hand image - Getty Images




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Author:LittleHands
子供の頃にピアノを習い始めたものの手が小さくてすぐに挫折(^_^;)
成人してから再びピアノを習った、気ままに弾くだけの趣味のピアノ弾きです♪

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※シュタインビューラー社についての詳細は、左のカテゴリ欄にあります『Steinbuhler & Company (和訳版)』をご覧ください。
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