主に細幅鍵盤の事を、個人的な戯言を交えながら徒然なるままに書いているブログです。このブログの趣旨をまとめていますので、初めてお越しの方は、宜しければカテゴリ欄の「記事の概要」をご一読ください。
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09/19
誰のためのもの? ~生まれた疑問~
Steinbuhler社の“Our Story”の翻訳をやってみて、1つの疑問が生じました。
今の鍵盤って、一体誰のためのものなのでしょうか?

正直これまでは、ピアノという楽器はヨーロッパの民族楽器なのだから、鍵盤の大きさの規格が欧米人の体格に合わせられているのは仕方がないことなのかもしれない、という気持ちもどこかにありました。
大抵の物は、発祥の地の人達に丁度良いサイズになっていることが多いわけですし…。

ですが今回、Steinbuhler社のサイトを読んでアメリカのピアノ事情を垣間見たとき、日本と大して変わらない状況があることに驚きを感じました。
そしてそれはアメリカだけではなく、カナダでも、オーストラリアでも…。

こうなると、今の鍵盤の大きさって一体誰が対象なのでしょうね?
これだけ多くの人が合わないと感じている大きさが、たった1つの標準規格として通っていることをとても不思議に思ってしまいます。
洋服でもそうですが、ある程度の人達に適応するようにしようと思えば、サイズが最低でも3つは必要な気がします。

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09/11
細幅鍵盤海外事情 * Steinbuhler社の記事 Part8
仕事に追われていて、気がつけばブログの更新が2週間ぶりになってしまいました
決してフェイドアウトしたわけではありませんので

Our Story”の翻訳もようやく今回で全部終了となりました
とは言いましても、まだ“Our Research”の記事がありますので、まだまだ先は長いです。

今回の分は、『How Far We have Come』と、『Where We are Going』と、一応文末の『Notes:注釈』も翻訳しておきました。Notes:注釈の[1]は、Steinbuhler社の記事Part4の『First University Study』内にあります。



『How Far We have Come』

クリストファー・ドニソンは[2]を書きました:「ピアノの演奏の世界には、2つの大きな秘密があります。1つ目は、楽器がより大きな手で演奏することによってどれほど容易であるかということです。そして、2つ目は、それがより小さい手でどれくらい不可能である場合があるかということです。人が世界を、より小さな半分の人、および、より大きな半分の人の、およそ2つの選挙区に分けることができるならば、より大きな半分は、小さい手をした対応者の困難が何であるかを、ただの一度も分からないことに気付くことができます。そして、より小さな半分は、すべての困難がより大きな手によってどれくらい容易であるかについて、ただの一度も知ることができません。これは、それが起こるためにどんなに彼らが強く祈ったとしても、小さい手をした人々が翌朝により大きい手で目覚めることなど決して無いからです。そして、より大きな手を持つ人々は、より小さい手をした人々の苦境に一度も陥ったことがありません。彼らがその秘密を漏らすほど疑問を呈していたレパートリーを試みるずっと前に、彼らの手はすでに十分に大きかったのです。

今日、ピアノの歴史で初めて、代替サイズの鍵盤を所有して研究している大学の増加しているリストがあります。また、ピアノの歴史で初めて、7/8鍵盤を所有して使用するピアニストの増加しているリストがあります。ロンダ・ボイルは、最近、これらのピアニストの多くの調査を指導しました。あなたは、彼女が使用したアンケートと、彼女の論文Hand Size and the Piano Keyboard[3]を読むことができます。ロンダは、より小さな鍵盤に対するすべての関連したデータと議論を提示するために、「Piano keyboard size - a level playing field?」という専用のウェブサイトも始めました。

全体としてとらえて、大方のピアニストが深い差別のフリーサイズの世界に閉じ込められることを、この蓄積している証拠は証明します。ピアノを研究する学生はほとんど女性ですが、大学はピアノに大きなサイズの鍵盤を提供するだけです。私たちがこれを反省するために距離をおいて考えるとき、世界中の大学が彼らの手に合う器具を学生に提供しないとわかるために驚かせていませんか?今日、ゆっくりと、彼らは、彼が最初に7/8鍵盤を手に入れたときクリストファーが発見した2つの大きな秘密を意識するようになっています。



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『Where We are Going』

より小さな鍵盤が動き、そして、グランドピアノは改造するのが簡単であるということを、私たちは現在知っています。しかし、このピアノの世界は伝統に拘束されて簡単に変わりません。私たちはどのようにこの行き詰まりを克服しますか?主な推進力の1つは、恐らく代替の鍵盤が、ピアノ関連の痛みを大いに除去するという増加している認識であるでしょう。私は、それが本当に人権の問題であると言うのが、強過ぎる声明ではないと思います。彼らが、選択があってどれくらい感謝しているかについて、ピアニストは何度も私たちに表しました。この数年にわたって、この反応は私たちを継続させました。

興味深いことには、私たちが受け取る問い合わせの多くは、より小さな電子式鍵盤楽器の要請です。認識と受理が発展して、ある日、電子キーボード・メーカーがそれらを提供するということを、私は知っています。あなたが旅行するとき、あなたの7/8鍵盤を一緒に持っていけることは、大きな自由への前進となるでしょう。

中国人は大きな要因でありえます。ピアノを研究する学生の高い割合は中国人です。また、彼らの手の長さは、スペクトルの小端で測定します。彼らのピアノ産業が先導することが自然であるようです。一般に、何十年間も減退している産業において、鍵盤の販売促進は、最も歓迎された恩恵であるかもしれません。



*注釈*
[1]  この記事はMTNAからの許可と共に、アメリカのMusic Teacher、Volume52、No.6、2003年6月/7月からあります。
[2]  クリストファー・ドニソンのウェブサイトから:DS鍵盤
[3]  手のサイズとピアノ鍵盤は、第9回オーストラレーシアピアノ教育学会議の議事録で発表されます。



最後に相応しく、かなりの衝撃的な内容でしたね。

細幅鍵盤の考え方は、作曲家の中田喜直さんが数十年も前に提唱されていた事ですので、本来なら“日本発”のものに出来たはずでした。
しかしながら、日本の楽器メーカーにSteinbuhler社ほどの積極性が無かったこともあって、日本では残念な状況となり、結局“アメリカ発”になる様相になってきていますね。勿体無い事です

アコースティックピアノではSteinbuhler社に遅れをとってしまいましたが、電子ピアノの分野でなら既にミニ鍵盤もあることですし、それを細幅88鍵盤に発展させて売り出すことで巻き返せるのでは…との期待をしていますが、今回の翻訳で、既にSteinbuhler社も電子ピアノの分野に抜かりなく目をつけているということが分かった以上、日本の電子楽器メーカーも、もう二の足を踏んでいる時間は残されていないように感じます。
とは言っても、やはり今の日本の現状では、結局電子ピアノの分野でも、先ず海外製の細幅電子ピアノが入ってきてからようやく日本のメーカーも重い腰を上げるという流れになりそうな感じですが…

ですが、それよりも今回の翻訳で一番衝撃的だったのは、細幅鍵盤ピアノの分野に中国が絡んできそうだということです
国益となりそうなことなら国を挙げて取り組む中国の事、Steinbuhler社の記事 Part5にあるアーロン・クルツ君のように、約13億人という人口をかかえる大国の子供たちが、細幅鍵盤ピアノを使って早いうちからラフマニノフなどのような高難度の曲で特訓をするようになったら…想像しただけで恐ろしい

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