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主に細幅鍵盤の事を、個人的な戯言を交えながら徒然なるままに書いているブログです。このブログの趣旨をまとめていますので、初めてお越しの方は、宜しければカテゴリ欄の「記事の概要」をご一読ください。
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03/18
細幅鍵盤と初めて出逢った、あるアメリカ人女性の話
先日、日頃から連絡を取り合っているオーストラリアの方から、とあるアメリカ人女性から来たというメールが転送されてきました。
そのメールはかなりの長文で、言いたいことが止め処なく溢れてきているといった感じでした。
なかなか興味深い内容でしたので、かいつまんでご紹介させていただきます。


そのメールの方は、ご自身のことを“人生の秋(the autumn of my years)”と仰っているので、恐らく年配(60代か70代くらい?)の方ではないかと思います。
5歳からピアノを始められたそうで、現在は地元のピアノ・サークルに通いながら趣味で弾いているそうです。
この方の手の大きさに関して正確な数値は書かれていませんが、Hand span dataにあるこの図(←クリック))の中で、ご自身の手は赤い点が1つか2つしかない極端な端っこだと仰っているので、恐らく手のスパン(広げた手の親指から小指までの幅)が17cm程度なのだと思います。
ちなみに私もこのくらいなのですが、これだとオクターブもまともに届かず、届いても白鍵の内側の角に手前から辛うじて指先を引っかけている状態になります。鍵盤の側面で指を広げながら無理矢理オクターブを押える格好になるので、オクターブの連打はまず出来ません・・・

細幅鍵盤のことをどうやってお知りになったかというと、インターネットで偶々所有者の方(のブログか何か?)を見つけられたらしく、しかもその方がご自身の自宅から車で2時間くらいのところにお住まいになっていることも分かって試弾にも行かれたそうです。

その所有者の方から色々とお話しも伺ったそうですが、その方は

「例え(標準鍵盤で)弾ける曲があったとしても、もう1つある普通の鍵盤には全く触れるつもりは無いし、そうしたいとも思わない。」

ということを強調していたそうで、この言葉には困惑したそうです。
ただ、細幅鍵盤での弾き心地を知った今となっては、この方自身もそういう心境になっているそうですが・・・

この方は最初から細幅鍵盤に肯定的ではなかったようで、最初に細幅鍵盤のPRサイト(http://www.smallpianokeyboards.org/http://www.paskpiano.org/)を読んだときは、その内容に懐疑的で、細幅鍵盤の効果についても過度に誇張しているのではないかと疑っていたそうです。
細幅鍵盤を弾いてみるにしても、このサイトに書かれていることが事実かどうかを1つ1つ確かめてみようという姿勢だったようです。
長い間疑っていたそうですが、今では本当だったとご納得され、ご自身のスタインウェイBに取り付けるためのDS5.5鍵盤を購入されています。

PRサイトの中でこの方が特に気に入っている内容は、スタインビューラー鍵盤の共同開発者、クリストファー・ドニソン氏の“大きな秘密”の部分だそうで、その通り(How true!)だと仰っています。

『ピアノの演奏の世界には2つの大きな秘密があります。1つ目は、より大きな手で弾けば、楽器の演奏がどれほど格段に容易になるかということ、そして2つ目は、それが小さい手だと、どれほど不可能になり得るのかということです。もし世界をより小さな手の半分と、より大きな手の半分の2つの構成要素に分けられるとすれば、より大きい手の半分が、より小さい手をした相手の困難が何であるかを真に理解することはなく、そして、より小さな手の半分が、大きい手によって、すべての困難がどれほど少なくなるかということに真に気付くことはないということが分かります。・・・・・その秘密が露呈するだけの高難度な曲に挑むよりもずっと前から、「手が大きいピアニスト」の手はとっくに十分な大きさになっているのですから。』
クリストファー・ドニソン(Christopher Donison)、ミュージック・バイ・ザ・シー(Music by the Sea)、エグゼクティブアートディレクター(Executive Artistic Director)、カナダ・ブリティッシュコロンビア州、2000年、p.111。

この方が実際に購入を決断する前には、やはり幅の違う鍵盤にちゃんと適応できるのか、標準鍵盤に戻るときにはちゃんと戻れるのかという問題に直面したそうです。
そしてこの問題、細幅鍵盤のことを初めて聞く方から大抵一度は言われる事だったりもします。

細幅鍵盤で最低限自分が求めるレベルまで弾けるようになるのに1時間から2時間以上かかったとのこと。
これについて、1つはご自身の年齢、もう1つは、ご自分の小さな手が長年に渡って極端な指の位置で頑張ってきたために、その筋肉の動きの記憶が脳に染みついていて、そこから調整するには脳の記憶を大きく修正しなければならなかったせいだろうと、ご自分なりに分析されています。
この方ご自身は長くかかったと思っているようなのですが、これまで細幅鍵盤に移られた方々の話を聞く限りでは、だいたい皆さんもこれくらいかかっている感じです。

細幅鍵盤を弾いてみたことでご自身の記憶力の衰えを実感して驚いているそうで、こんなこと若い人には無いんでしょうね~みたいに仰っていますし、DS6.0(15/16)鍵盤で丁度良いと感じるような手の大きさの人たちと、極端に小さい手の自分とでは、慣れるまでに感じるギャップにも違いがあるだろうとも仰っています。

色々と思うところもあったようですが、疑いながらも実際に使ってみて、ご自身の目(手?)で確かめてみようとする姿勢がすごいなと思います。
何事もそうですが、やっぱり“百聞は一見にしかず”ということなんでしょうね。

そんなこんなで、手の大きさに合った鍵盤を使うことの利点を理解された後、この方はご自身の通うピアノ・サークルでこのことをお話しになったようです。
ところがそこで、あからさまに無関心で冷たい態度を取られてしまってがっかりさせられたとのこと。
この問題の深刻さをサークルの人たちは全く理解してくれず、これを受け入れることを拒む上に、「標準鍵盤と細幅鍵盤とを交互に切り替えることなんて出来やしない」という“壁”を盾にとって、このことに関心を持たないよう、この方までも誘導しようとしてきたとのことでした。

サークルには15/16の鍵盤を弾いたことのある方もいらっしゃるそうですが、その方もやはり、

『自分の標準鍵盤のピアノでは決して出来ないかもしれないと思うことが、15/16鍵盤だと出来るのだろうとすぐに分かったが、そもそも自分の細幅鍵盤ピアノに慣れてからどうやって他の人のピアノを弾くか?そしてそもそもどうやって他の人が自分のピアノを弾くのか?というのが大問題だった。』

と仰っていたそうです。

この部分を読んだときにはかなり意外な感じがしました。
日本の支持者の方の中にも、細幅鍵盤のことを知り合いの音大生やピアニストの方々にお話になったという方がいらっしゃるのですが、この方から聞いた話とこのアメリカ人女性の話の内容がほぼ同じだったからです。
これまで、こんなに理解が無いのは全体主義で同調圧力の強い日本くらいなのだろうと思っていたのですが、もしかすると状況は欧米でも大して変わらないのでは・・・そう考えると、この活動に対する日本と海外の温度差は、環境の違いと言うより“度胸”の違い???

このアメリカ人女性は、今の心境について以下のように仰っています。

『これはとてつもなく意味の深い、人生を変える旅なのです。人生の秋に入ってしまっているからには、何年もくよくよ考えないようにするつもりです。身体的に不可能なことをしようとしていて、気が遠くなるほどの時間が無駄になってしまったのですから!私が教わった先生の中には、私に「素晴らしい才能がある」と言ってくれた人もいましたが、誰も正直に、わざわざ親切に本当のことを教えてくれる人はいませんでした。なので私は鍵盤を叩き続ける一方でした。自分の新しいDS5.5鍵盤で最初に手掛けたことの1つは、ラフマニノフの作品3と2の、ボロボロだった2小節のパッセージを成し遂げることでした。何百時間もの訓練をしたのですが・・・それを習得するのに、DS5.5鍵盤だと20分くらいしかかかりませんでした。その無駄な努力に、私は危うく腹を立てるところでした。』

『私は今レパートリーの見直し中ですが、ESPK(※)の影響を受けるとは思ってもみなかったことにたくさん気付いています。自分が見つけ出すことができなかった本当の音楽がどれほど多かったか、そして当然のこととしてやっていた音符の削減や変更がどれほど多かったかにショックを受けました。プロのアーティストの手や、シェイピングや、動きに何度も畏敬の念を抱きながら見つめていただけに、自分の手を見ていて時々それがプロのアーティストと同じ形に見えることに驚くばかりです。

『自分の心と指でよりいっそう「揺るぎないもの」になるまで、当分の間はESPK(※)に留まっています。通常の鍵盤で何が起こるかは分かりませんが、もはやそれはどうでもいいことです。現実には、自分が以前は大きなものを弾くことができなかったということ、もっと鍛錬と練習が必要だと自分に言い聞かせながら自分自身をたくさん騙してきたことで長い間隠されていた真実を、今は理解しています。』

ESPK - Ergonomically Scaled Piano Keyboard(人間工学的にスケーリングされたピアノ鍵盤)


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01/13
ベートーベンが使っていたピアノの特徴
今年に入ってすぐにオーストラリアの支持者の方から、ベートーベンのピアノの複製を見る機会があったとの報告が入ってきました。
そのピアノは1804年のベートーベンのピアノを複製したもので、一昨年にこのブログでも紹介しましたダニエル・バレンボイム氏の最新型のピアノを作製したクリス・メーン氏によって、つい最近メルボルン大学のために作製されたものだそうです。
バレンボイムのピアノについてはこちらをご参照ください。弦の張り方の点がベートーベンのピアノと共通しているので、音色の特徴などはご参考になるかと思います。

『この100年のピアノの歴史にダニエル・バレンボイム氏が新風を吹き込みました!』
http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-88.html
『ダニエル・バレンボイム氏開発の「新方式のピアノ」について』
http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-entry-111.html


ベートーベンのピアノの特徴が以下のように報告されています。

鍵盤の幅:
  • オクターブ(鍵盤7個分)で約6.25インチ(158.75mm)。
※ 現在の一般的なピアノの鍵盤幅は約165mm。

黒鍵の特徴:
  • 白鍵の幅の割には細くなっている(現在の鍵盤より黒鍵幅の割合が白鍵幅の割合に対して小さい)ように見える。
  • 前框に向かって傾斜している。
※ 画像を参照

TASK_000

TASK_001


弦の特徴:
  • バレンボイム氏の最新型ピアノと同様に、交差することなく真っ直ぐ並行に張られている(ストレート・ストリングス)。
※ 画像を参照

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ペダルの特徴:
※ 詳しくはこちらの記事を参照→http://www.piano.or.jp/enc/fb/view/180/
※ 当時は、演奏者の殆どが普段は家で弾く女性だったため、男性の演奏者はペダルを踏めるようにするためにつま先の尖った靴を履かなければならなかったとのこと。

TASK_004



細幅鍵盤に関して度々聞こえてくるのが、“鍵盤が細くなると、鍵盤と鍵盤の間(特に黒鍵と黒鍵の間)に指が挟まる(若しくは入らなくなる)のでは?”といった声です。
そしてこういった声に対してまさに、“黒鍵幅を細くして黒鍵の間の幅を確保すれば良いのでは?”とのご意見も頂いたことがありました。
ただそのご意見を聞いたときは、白鍵幅と黒鍵幅の割合が変わることで弾きにくくなったりしないだろうかと懸念していたのですが、ベートーベンのピアノの黒鍵幅が現在の割合より小さくて問題なかったのであれば、この方法である程度解決できそうですね!


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12/16
スタインビューラー社と細幅鍵盤がPodcastで紹介されています
「"Podcast(ポッドキャスト)"って何?」という方はこちらをどうぞ。Podcastについて解説している記事をいくつかピックアップしてみました。
実は私も海外の細幅鍵盤支持者の方からこの件を聞いて初めてPodcastというものを知りました(解説記事を読んでもイマイチよく分かりません・・・

「Podcastを楽しむには」
http://www.apple.com/jp/itunes/podcasts/fanfaq.html
「ポッドキャストって何?有料?聴き方が分からない…という全ての方に」
http://yohei-hayakawa.com/?p=2038
「ポッドキャストって何ですか?なるべく分かりやすく教えて下さい!!」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1430019729
「【今更聞けない】ポッドキャストってなに? - NAVER まとめ」
https://matome.naver.jp/odai/2141222990772220601
「無料でさまざまなコンテンツが楽しめる!「Podcast」を使ってみよう!」
https://mobareco.jp/a12183/


(とりあえずどうにか理解できた範囲で・・・)このPodcastの中にHugh Sung(ヒュー・サン)さんという方が制作されている"A Musical Life"というコンテンツがあって、そこでスタインビューラー社と細幅鍵盤のことを紹介してくださったようです。
こちらがそのページです。リンクを開くとメールアドレスを記入する欄が出てきますが、下の青い矢印をクリックすれば記入しなくてもページに入れます。

「David Steinbuhler, co-developer of the Donnison-Steinbuhler alternate sized piano keyboards」
https://www.amusicallife.com/david-steinbuhler-developer-of-smaller-piano-keyboards/

この記事を翻訳しました。




David Steinbuhler, co-developer of the Donnison-Steinbuhler alternate sized piano keyboards
選択できるピアノ鍵盤、ドニソン-スタインビューラーの共同開発者、デイビッド・スタインビューラー氏

2016年11月28日 ヒュー・サンによる

小さな手のピアニストは、ピアノの名作を演奏できるようにするためにかなりの物理的な課題を克服しなければなりません。これらの課題は、筋肉の緊張や、キャリアが終わってしまう障害にさえつながることが多いのです。小さな手の独特のニーズに対応するため、技術者で事業主のデイビッド・スタインビューラー(David Steinbuhler)氏は、ピアニストのクリストファー・ドニソン(Christopher Donison)氏と共同研究して一連の新しい標準サイズと小さなピアノ鍵盤の試作品を1991年に開発しました。

これら小さな鍵盤を生み出す魔法は、デイビッド・スタインビューラー氏の、ペンシルベニア州タイタスビルの1897年来の歴史がある家族経営の会社のリボン工場で起きています。中に入ると、その多くがデイビッド氏の祖父と叔父によってオーダーメイドされた終わりがないほどずらりと並んだ機械類と共に、それらのリボンを作るために造られたものすごい数の、何千もの巻いたリボンやひと巻きのロールを目にするでしょう。彼らは独自の部品や道具を造る必要があるため、デイビッド氏の工場では、CNC、またはコンピューター数値制御装置と呼ばれる、コンピューターを使って正確に設計して木材から部品を切り出すための専用機械が複数使われています。デイビッド氏のピアノ鍵盤のワークショップが彼の工場の2階にあることが分かり、古いピアノや、彼の特注のドニソン・スタインビューラー(Donison Steinbuhler)の小さいサイズの鍵盤を生み出すために用いられる道具に囲まれます。
注釈:このエピソードはもともとビデオ・ドキュメンタリーとして制作されたものです。以下のフルビデオをご覧下さい。



Links
リンク

スタインビューラー社のウェブサイト:
http://www.steinbuhler.com/index.html
PASK(鍵盤サイズの選択を支持するピアニスト)ウェブサイト:
http://www.paskpiano.org/index.html
PASK 「Resources for Pianists with Smaller Hands(手が小さいピアニストのためのリソース)」:
http://www.paskpiano.org/resources-links-and-getting-involved.html
D.S.6.0鍵盤で演奏しているダラス国際コンクール第3位の入賞者、アンナ・アラジ(Anna Arazi)氏のビデオ:
https://youtu.be/tj1RNLn8K6g




色んなメディアでどんどん取り上げられて細幅鍵盤の認知度が上がっていってほしいですね!


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12/11
鍵盤サイズの革命がついに起きそうな予感!?
ピアノの鍵盤のサイズを選択する権利を獲得するために尽力する国際的な運動であるPASK(Pianists for Alternatively Sized Keyboards - 鍵盤サイズの選択を支持するピアニスト)(詳しくはこちら←クリック)が発起人となって、世界中の主要な楽器メーカー(デジタルとアコースティック両方)に向けてのオンライン嘆願署名が今月より開始されています!

Need piano keyboards that fit our hands
私達の手に合ったピアノの鍵盤が必要です


嘆願の対象:
ヤマハカワイスタインウェイパールリバー(珠江ピアノ)ハイルン、香港パーソンズ社、カーツウェルコルグを含むピアノメーカー。

この嘆願書の、嘆願に至る経緯(Petition Background)と、その嘆願(Petition)の内容を和訳していますので、まずはこちらをご一読ください。
そして、ご共感いただけましたら、是非ご署名をお願い致します。

署名のやり方については嘆願書の下で手順を説明しています。
もちろん無料ですし、要領も日本のネット署名やアンケートなどと大して変わりません。匿名での署名も可能ですので、どうぞご安心ください。
署名の期限は今のところは無いそうですが、多分1年間くらいになるだろうとのことです。

決して強請するつもりはありません。ご自身の正直なお気持ちに従ってください。

ちなみにNeed piano keyboards that fit our handsのページにある、鍵盤の画像の上の「Signatures」のところをクリックしていただくと、署名の一覧がご覧になれます。




Petition Background (Preamble):
嘆願に至る経緯(前文):

あなたは今まで、人間の手の大きさには非常に大きな違いがあるにもかかわらず、私達がピアノの鍵盤幅の選択肢をたった1つしか持っていないということを考えたことがありますか?
成人のピアニストだけでも、最も小さい手と最も大きい手のスパンの違いは、ほぼピアノの白鍵5つ分の幅の、およそ4.5インチ(11cm以上)と推定されているのです!

現在のピアノの鍵盤が、圧倒的多数の人達にとって大きすぎるという強力な証拠があります。それは、最も大きい手のスパンの人達に最も適しているのです。
ピアノを専攻する大学生を対象とした最近の調査では、彼らの75%がさらに大きな手を切望していることが明らかになっているのですが、その代わりに、もし彼らがより細幅のキーの鍵盤で演奏することができるとしたらどうなるでしょう。

現在の『一般的な』鍵盤よりも細幅のキーのピアノ鍵盤は、限られた方法(スタインビューラー社経由がほとんど)で、現在入手できるようになっており、アメリカの10校の大学で使われています。
テキサス州ダラスにあるSMU - Southern Methodist University南メソジスト大学)メドウズ芸術学校のピアノ研究室の学科長であり、演奏家、教師、レコーディング・アーティスト、演説家、そして、選択的にサイズ決めされた鍵盤に関する著者でもある、キャロル・レオーネ博士は以下のように言います。

『私はピアニストが自分の手幅に合った鍵盤に初めて手を置くところに度々立ち会います。そのピアニストが自然と泣き崩れることがなんて多いことでしょう。ずっと克服不可能に見えていた問題に悩み続けた今までの人生が、「問題なのは自分ではない。楽器だったのだ!」という気付きとともに消え去る瞬間です。それに続いて、「可能性」の喜びに圧倒されます。』

手に合わない楽器のために、ピアノの演奏を学ぶ人達のどれくらいが、彼らの夢を実現できていないのでしょう。
痛み、障害、そして失望のあまりに、どれくらいの人達が追い出されているのでしょう。
偉大なピアニストになることを熱望しているかもしれない若い人達には、足止めを食らい、自分の手が成長するのを無駄に待っている人がどれくらいいるのでしょう。

もしピアノを演奏するのであれば、あなたはこれまでに以下のことを感じたことがあるのではないでしょうか。

・ 演奏したいピアノ曲を全て演奏することができず、もっと大きな手のスパンがあればよかったのにと、時々思うことがあるのではありませんか?
・ あなたの指がギリギリまで広げられているために、あなたは音符を省かざるを得ないことが多いか、あるいは大きな和音を弾くために素早く飛び越えるのを困難に感じているのではありませんか?
・ 10度、あるいは9度さえも弾くのに四苦八苦し、手をいっぱいに広げて高速でオクターブのパッセージを弾くことによって、痛みや緊張が引き起こされているのではありませんか?
・ 手のスパンの制限のために、あなたの練習時間の大半が技術的な課題の克服や、『急場をしのぐ手段』の考案に費やされているのではありませんか?

現在、私達は自分たちの生活において、靴や洋服、度付き眼鏡、スポーツ用品のように、個々のサイズやニーズに合わせられることを実に当然のことだと思っています。
音楽界では、多くの弦楽器に様々なサイズがあり、そしてピアノでも、私達はスツールの高さを調節することができ、小さな子供には補助ペダルを提供することができます。
あなたは、標準のピアノ鍵盤に人間工学的に適した手のスパンを持っている人が、全ての国籍の男性、女性、および子供を含む人口の何パーセントくらいいると思いますか?

The evidence for change from recent research
最近の研究からの変化を裏付ける証拠

・ (同数の男女が演奏すると仮定すれば)現在の鍵盤に対して小さすぎる手のスパンを持つ成人のピアニストの割合は50%を超えています。
・ 大多数の男性(76%)と比べると、広範な上級の曲目を楽に容易に演奏できるくらい大きな手のスパンを持つ女性はわずか13%です。残りの人達(男性の24%と女性の87%)は、自分の最大限の音楽的な可能性に達することができない可能性があります。これらの割合は、一般的に白色人種よりスパンが小さいアジア人のピアニストではさらに小さくなります。
・ 女性が男性より罹患しやすいため、手のスパンが小さいピアニストは痛みや障害に苦しむ傾向が強いです。
・ 細幅のキーの鍵盤を演奏することが思いがけない素晴らしい体験であることに気付くピアニストが(主に北米で)増えています。彼らは、緊張や痛みの減少音調のコントロールの改善必要なパワーやスピードの上昇さらに大きな技術的な容易さや安定などの多岐にわたる利点を見出します。彼らは違うサイズにとても早く順応することができ、必要に応じて鍵盤の間で簡単に入れ替わることができます。
・ これらの鍵盤を使っている教師は、子供が小さなバイオリンを使うのと同様に、手の大きな男性のために設計された鍵盤で学ぶ必要がないために子供達が大きな恩恵を受けることが分かっています。

これらの調査結果は、1世紀をとうに超える『一般的な』ピアノ鍵盤となった決定に、19世紀後半ヨーロッパ人男性(例えばリストなど)の名演奏家が強い影響力を持っていたということを私達が考慮に入れれば納得がいきます。
それ以前は、鍵盤はより細幅のキーを持ち、様々なサイズが利用可能でした。
彼らの大きな手のスパンによって、男性がコンクールの受賞者や一流のソリストの地位で優位に立つのは当然のことです。

デイビッド・スタインビューラーと、北アメリカからのクリス・ドニソンは、1990年代からキーの幅が細い鍵盤の製作を始めました。
デイビッドは多様なサイズのサンプル鍵盤を使った広範囲にわたるテストを行いました。それらを使い、どのサイズが彼らのニーズを最も満たしているかを決めるため、彼はピアニストを招待しました。
彼の取り組みは、2つの小さいサイズ(さらに大きいものは誰も望まなかった)の鍵盤を追加することで、彼らの手にぴったり合ったものが大多数のピアニストにもたらされることを示しました。
ピアニストの手のスパンに関する最近の統計調査は、2つの追加のサイズ(※)の必要性に関する結論を裏付けています。

Personal stories
身の上話

ボストンのピアニスト、アンナ・アラジ(Anna Arazi)氏は、小さい鍵盤でのたった1日の練習の後に、2015年のダラス室内交響楽団国際ピアノコンクールで通常の幅のおよそ15/16(DS6.0TM)の鍵盤を演奏しました。
彼女は抱えていた痛みが全て消えたことに気付き、そして3位に入賞しました!
以下の彼女のプロコフィエフピアノ協奏曲第1番の演奏をご覧ください。



コロラド出身のジャズピアニストで作曲家のロジャー・ジェームズは、同じサイズ(DS6.0TM)の鍵盤のアップライトピアノを所有しています。
以下の彼の話をご覧ください。



~ロジャー・ジェームズ氏の話~
『こんにちは、ロジャー・ジェームズです。そしてこれは6.0のDS鍵盤のウォルターのピアノです。オクターブが短縮されていることによって、痛みや傷害もなく、また、大きな手のスパンを必要とするようなパッセージを埋め合わせる必要もなく演奏できています。これは私が以前からずっと望んでいた、より大きなクラシックの作品を演奏するのを可能にしてくれます。今や、50%以上の人々が同様により多くの演奏を満喫しているという調査結果によって、メーカーが将来の製品でこれを検討し始めてくれることを期待したいと思います。』

選べるサイズの鍵盤が使われている様子の他のビデオに関しては、PASK(Pianists for Alternatively Sized Keyboards - 鍵盤サイズの選択を支持するピアニスト)のYouTubeチャンネルの、PASK YouTubeをご覧ください。

では、なぜ私達は単一のサイズのピアノ鍵盤に固執しているのですか?
是非ともこの嘆願書に署名をして、他の人にもそれを回してください。
たとえあなた自身がピアノを弾いていなくても、ピアノを愛し、この革命がすぐにでも来ることを望んでいる世界中の多くの人々を救うことになるでしょう。
私達はこれらの鍵盤が売れる可能性のある巨大な市場があることをメーカーに伝える必要があります!

Further information
詳しい情報

Pianists for Alternatively Sized Keyboards邦訳文
Alternatively Sized Piano Keyboards邦訳文
Steinbuhler & Co邦訳文
Carol Leone

メディア、ピアニストや教師、そしてピアノ業界向けに構成されたPASKの概要資料をダウンロードするために、PASK documents(PASK資料)をご訪問ください。
Collection of Quotes(引用文集)』の資料には、はるかに多くの身の上話が掲載されています。
ここには、雑誌Clavier Companion(クラヴィエ・コンパニオン)に掲載されている、キャロル・レオーネ博士によって書かれたSize is Key(サイズが解決の鍵)という最近取り上げている論文のコピーもあります。

是非、PASKのフェイスブック・ページで私達に「いいね!」をください。

私達は、技術者、鍵盤メーカー、および工業技術に興味をお持ちの方々のための、TASKのフェイスブック・ページも持っています。

ツイッターでは、ハッシュタグ、#smallpianokeysをご使用ください。

スタインビューラー社は、選択用サイズの名称としてDS(Donison-Steinbuhler)を使用しています。
すなわち、オクターブのサイズのインチ表示を反映したDS5.5TM(7/8鍵盤)とDS6.0TM(ユニバーサル鍵盤)です。
現在の『標準』の鍵盤(DS6.5TM)は、オクターブが6.5インチになっています。



Petition:
嘆願

極めて多くの人達が現在のピアノの鍵盤は大きすぎると感じています。とは言え、手を大きくすることはできません。
ですが、ピアノのキーを狭くすることはできます。
私達はまさにそれを行うよう、ピアノ業界に訴えています!

PASK(Pianists for Alternatively Sized Keyboards - 鍵盤サイズの選択を支持するピアニスト)は、購入者が選べるよう、3つの規格サイズの鍵盤を造ることを世界中のピアノメーカー(デジタル、アコースティックを問わず)に明確に要求しています。
すなわち、現行の1オクターブ6.5インチ(16.5cm)の『大きな』鍵盤に加えて、2つの小さい鍵盤、つまり1オクターブ6.0インチ(15.2 cm)のものと、1オクターブ5.5インチ(14.1cm)のもの(※)です。

これら2つの新しいサイズは、小規模な鍵盤メーカーを通じてのみ入手可能という、きわめて限られたルートしかないのが現状です。
2つのサイズを加えたピアノが大量生産され、広範な使用機会が保障されてはじめて、これまで顧慮されてこなかったピアノ愛好家の大半を含む市場のニーズを満たすことができるのです。
人間の手のサイズに相応しい鍵盤のピアノを私達に提供してください!
最近の研究や事例調査によると、もし鍵盤を選択できるようになれば、子供達は言うまでもなく、成人のおよそ75%が小さめなサイズの鍵盤から恩恵を受けることが分かっています。

これらの鍵盤サイズを選べることが選択肢として主流になれば、ピアノを弾く人達から『小さな手』の問題が解消され、さらに何百万もの人達にピアノの世界が開かれるでしょう!

PASKの概要資料『An opportunity for the piano industry日本語版)』(www.cicadabay.com/pianosからダウンロード可能)は、ピアノ業界にさらに多くの情報やアイデアを提供します。以下が主な内容です。

・ Keys to success for the 'piano keyboard revolution' - 『ピアノ鍵盤革命』の成功への鍵
・ Increased sales potential - 売上高増加の可能性
・ Barriers to change - 変化に対する障壁
・ How three sizes can work in different situations - 3つのサイズは実際面でどのように活用できるのか
・ Marketing messages - マーケティング・メッセージ

スタインビューラー社は、選択用サイズの名称としてDS(Donison-Steinbuhler)を使用しています。
すなわち、オクターブのサイズのインチ表示を反映したDS5.5TM(7/8鍵盤)とDS6.0TM(ユニバーサル鍵盤)です。
現在の『標準』の鍵盤(DS6.5TM)は、オクターブが6.5インチになっています。




~署名の手順~
※記入は全て半角英数字でお願いします。

こちらのページ(クリック→Need piano keyboards that fit our hands)を表示していただくと、「Sign the petition」と書かれた水色のボタンがありますので、そこをクリックしてください。

表示されたページを見ていただくと、記入欄の右側に「*」と「(optional)」という表記があることがお分かりになるかと思います。
これは、「*」が記入必須項目で、「(optional)」が任意項目という意味ですので、「(optional)」のところは記入したくなければ空欄のままでも構いません。
では、記入していきます。

Title:
名前に付ける敬称や称号のことです。
一般的なものは以下の4つです。
(だいたいこれだけでOKです

Mr.  全ての男性。既婚か否かを問わず。
Ms.  全ての女性。既婚か否かを問わず。
Mrs.  既婚女性。
Miss  未婚女性。

称号をお持ちの方はこちら↓を使われても良いようです。

Prof.  教授。
Dr.  医者、学者全般。(以下の人は全てDr.に入ります)
 ・M.D.  医者。
 ・B.M.  医学博士(医者の卵)。
 ・Ph.D.  研究系の博士号。
(厳密には他にも色々あるみたいですが)

First Name: 名。
Last Name: 姓(名字)。

Signature Display
ご自身のお名前を公開するか匿名にするかを選ぶ項目です。
□にあるチェックを外す匿名(Anonymous)になります。(□をクリックすれば外れます)

Email Address:
メールアドレスを記入しますが、これは同じ人が重複して署名するのを防ぐためと、署名し終わると確認メールが届けられるためのものですので、公開されることはありません。

City or Town:(※任意)
お住まいの市町村。

State, County or Province:(※任意)
お住まいの都道府県。
<余談>
アメリカで言うところの州か郡。
中国で言うところの省。


Post Code or Zip Code:(※任意)
郵便番号。
<余談>
Post Codeがイギリス英語でZip Codeがアメリカ英語。


Country or Region:
お住まいの国、または国籍。矢印で選びます。

Short Comment to Target:(※任意)
対象メーカーに対してコメントする項目です。(半角英数字1200字以内)
もしメーカーに物申したい事がおありでしたら(英語で)ご記入ください。
もちろん任意ですので、特になければ空欄で構いません。
※記入欄の下にある“□Hide my comment.”の□をクリックしてチェックを入れるとコメントを非公開にできます。

Verify:
機械による自動送信を防ぐための項目です。
大きな□をクリックすると画像が何枚か表示されます。「○○を全て選んでください」と指示されるので、指定された画像を全てクリックして選んでください。

下の「SIGN」と書かれた青いボタンをクリックすれば署名が完了します。
しばらくすると確認メールが届きます。

英語の文章を作成されたい方は、こちらのサイトが便利です。

◆ アルク
検索窓に調べたい言葉や文章の一部(例えば、「してほしい」とか「と考えます」といったもの)を入力して検索すると、その言葉の構文や例文が出てきます。
◆ Infoseekマルチ翻訳
表示された文章にマウスポインタを当てると、もう一方の文章のその部分が色で示されます。
◆ Weblio翻訳
入力した文章に似た例文や構文が(もしあれば)表示されます。

※ 翻訳サイトで翻訳された文章は必ずしも正確ではありませんので、英文自体はアルクで調べながら作成して、それが意味の通る文章になっているかどうかを確認するのに翻訳サイトを使われたほうがよろしいかと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。


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06/15
鍵盤を交換できるアップライトピアノ!?
現在、市場に出回っている細幅鍵盤ピアノは、グランドやアップライトといったアコースティックのものだけです。
電子ピアノのものは、ありそうでまだありません。
そしてこのアコースティックの細幅鍵盤ピアノでも、(アクションを含む)鍵盤部分を交換できるのはグランドだけで、アップライトでは今のところ鍵盤部分を交換できるものはありません。

細幅鍵盤の主要メーカーであるスタインビューラー社が言うには、グランドは元々鍵盤とアクション部分がピアノ本体から分離できる構造になっているのに対して、アップライトはそうなっていないからということのようです。
技術上の問題なのか、敢えてそうしないのかは分かりませんが、“普及”ということを考えれば、調律などの保守点検がこれまで通りに出来ないと困るので、今の段階では、既存のピアノの構造をあまり大きく変えてしまわないほうがいいのかもしれませんね。

恐らくですが、前回の記事のバレンボイム氏のグランドピアノのように大胆な発想で開発すれば、「鍵盤を交換できるアップライトピアノ」も夢ではないと思っています。
実際、昔ヤマハが「二段式ピアノ」という非常に珍しいピアノを開発したことがあって、下の段の細幅鍵盤が引き出しのように引っ張り出せるようになっているのですが、このようなことができる事を考えると、鍵盤部分を取り外すことも技術的には可能なのではないかと思います。

このピアノの関連記事です。

http://8107.teacup.com/hosohaba/bbs/60


細幅鍵盤関連のブログなどで度々紹介されている中田喜直さんの本、「随筆集 音楽と人生」の第4章の、『日本人と、ピアノ』の中でも、オットー・ゴールドハンマー博士が考案したという、“大小5段階の鍵盤を交換できるアップライトピアノ”というものについて触れられています。

ただ、実際にこのピアノのことが書かれているのは、ヨーゼフ・ガート氏の、「ピアノ演奏のテクニック」という本の中だそうで、中田喜直さんの本では、このガート氏の本の中の、このアップライトピアノに関する部分の記述が抜粋されていて、“この本にはその写真が出ており、大小五段階の鍵盤がある。”としか書かれてなくて、残念ながら写真は掲載されていません。
このヨーゼフ・ガート氏の「ピアノ演奏のテクニック」は、今は絶版になっていて中古でしか出回っていませんが、それがなかなかいいお値段で・・・見てみたいと思いつつもなかなか手が出ませんでした。

それが先日、偶然にもPASKを通じてその写真を入手することができたので掲載させて頂きます!

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※ 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
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※ 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。

ピアノ本体の写真や実際に交換をしている様子の写真などが無いので俄かには信じ難いですが、もしこれが実現可能であれば画期的ですね!
いつ頃考案されたのかは分かりませんが、写真の雰囲気はかなり古そうです。

中田喜直さんの本で抜粋されている記述の中には、
“この鍵盤はたいへん簡単な構造だから素人でも二、三分でとりかえられる。”
とあります。
見た目といい、特徴といい、スタインビューラー社の鍵盤とそっくりですね!

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