主に細幅鍵盤の事を、個人的な戯言を交えながら徒然なるままに書いているブログです。このブログの趣旨をまとめていますので、初めてお越しの方は、宜しければカテゴリ欄の「記事の概要」をご一読ください。
08 * 2017/09 * 10
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
04/24
Steinbuhler社の製品
単なる興味と思い付きでやり始めたSteinbuhler社のサイトの翻訳も、今回でほぼ完了となります。
当初はとりあえず“Our Story”だけ読めれば良いと思っていたのですが、いざやってみると次から次に興味深い内容が出てきて、こうなれば乗り掛かった船だ!全部読んでしまおう!と、ついに“Products”まで翻訳してしまいました。

私はSteinbuhler社の回し者ではありませんが、やはりここまで読んだからには、最終的にその製品が一体どういうものなのか詳しく知りたくなってしまうのが人情というもの。
宣伝っぽい内容になってしまいますが(今までの分もそうですね)ご了承ください。



『View All』

鍵盤をグランドピアノに提供することは、鍵盤をアップライトピアノに提供することと非常に異なります。

ViewAll_KeyboardGrandSmall
ViewAll_UprightPianoSmall

上の写真で分かるように、グランドピアノのためのアクションは独立式のユニットで、ピアノから簡単に出て来ます。
アクションは、鍵盤自体と、ハンマーを含むアクション・スタックと、ハンマーを動かす仕組みから成ります。
このアクションは、私達があなたのグランドピアノのための鍵盤を組立てるのに必要なすべてであり、私達が提供する輸送ボックスでUPS(※)を使って、私達に送ることができます。
それから、私達が造る新しい措置は、あなたの技術者によって簡単に取り付けられます。

アップライトピアノの場合では、独立型の1個のユニットでアクションを取り除くことができません。この理由で、私達はあなたのアップライトピアノのために鍵盤を提供しません。
私達の鍵盤が既に組み込まれている状態で、私達は新しいアップライトピアノを提供します。

United Parcel Service ・・・アメリカ、ジョージア州に本社のある大手貨物運送会社



『Keyboards for your Grand Pianos』

新しいアクション・スタックによるDS鍵盤
The-Action-Web02

そのアクション・スタックによるグランドピアノの鍵盤は、簡単にグランドピアノから滑り出る完成品一式です。
ピアノのキーはフレームに取り付けられます。また、フレームに取り付けられているのは、ピアノのハンマーとそれらの複雑な作動構造から成るアクション・スタックです。
ピアニストが鍵盤を押すと、鍵盤の後部はそれから弦を叩くためにハンマーを放り投げ、ハンマーシャンク[1]を順番に押し、ウィッペン[2]を押します。

私達は、2つの方法のうちの1つで、新しい、より小さなグランドピアノ・アクションを造ります。

1) 新しいフレームでは、私たちはピアノの元々のアクション・スタックの部品を取り付けます。
2) 私達の新しい構造において、私達は、新しいハンマーおよびウィッペン[2]を備えた完全に新しいアクション・スタックを造ります。

私達のより小さな鍵盤は、ピアノの全幅に届くようにキーを曲げました。そして、きれいな完成した外観を生むために、間隔材が、低音および最高音部の、鍵盤の両端に置かれます。

元々のアクション・スタックを使っている、より小さなグランド鍵盤

あなたのグランドピアノに調子が良いハンマーとウィッペン[2]があれば、私達は新しい鍵盤で、元々のアクション・スタックの部品を使用するのを選ぶかもしれません。
そして、私達が提供する箱の中に、あなたの元々の鍵盤とアクション・スタックをペンシルベニア州のタイタスビルに出荷します。
その後、私達は必要とする寸法を得ることができて、新しい鍵盤を造ることができ、あなたの元々のアクション・スタックの部品を新しいフレーム(およそ6週間かかる工程)に取り付けることができます。
私達は、2つの別々の箱の中に新しい鍵盤と元々の鍵盤を入れて送り返します。取り付けに、あなたの技術者によってちょうど2、3時間がかかります。
私達が元々のハンマーを使用しているので、ピアノは整音する必要無く、その元々の音を維持するでしょう。あなたの技術者はいつも容易に元々の鍵盤を再取り付けできます。
価格は、取り付けと輸送料を含まない7.800ドル(※)です。

日本円で775,554 円(4/24/2013 12:44am時点 1ドル 99.43 円)
現時点での価格 → 為替レート変換

新しいアクション・スタックによる、より小さなグランド鍵盤

新しいアクション・スタックでより小さな鍵盤を造るなら、私達は新しいラナーのウィッペン[2]ハンマーシャンク[1]を使います。新しいハンマーは、あなたの技術者と相談して選ばれます。
私達が一旦ピアノの寸法を得れば、造る工程には約6週間かかるでしょう。
新しい鍵盤が取り付けられた後に、ピアノは、5分未満で交換できる2つの鍵盤を持つでしょう。
新しい鍵盤には、あなたが単に1つの鍵盤を引き抜いて、第2の鍵盤を滑り込ませて戻すことができるように、あなたの技術者がピアノで何も変えることなくそれを取り付けることを可能にする、調整可能な特徴があります。
鍵盤の取り付けは、望ましい音を得るために新しいハンマーを整音することも含んでいます。
価格は、取り付けと輸送料を含まない10,800ドル(※)です。

日本円で1,073,844 円(4/24/2013 12:44am時点 1ドル 99.43 円)
現時点での価格 → 為替レート変換

ピアノの測定値を得ること

DS-Button-Web04

数十年の間、ピアノメーカーは、彼らのピアノの計画の多くの変更を行いました。また、一部のメーカーは、ピアノの間で小さな変化を生じる「手作りの」技術を使用します。
したがって、ピアノのための鍵盤を造る前に、私達は常に測定します。これは私達が提供する箱で、ペンシルベニア州のタイタスビルの私達へピアノのアクションを送らなければならないことを意味するか、または、これらの非常に正確な寸法を得るために、私達がピアノに合わせて私達の技術者のキットの利用において公認された専門家を送らなければなりません。
私達の考えは、世界中に公認される技術者がいることですが、私達はこの過程の非常に初期の段階にいます。

a_Bass-Treble-Web04_LR

私達の鍵盤は、パワー、感触または反応が損なわれないことを保証して設計されました。

キャプスタン[3]から、鍵盤の表面のタッチポイントまでの線(上図の赤い線を参照)は、バランスレールピン[4]を通り抜けます。これは、ごくわずかな側面の振動および疲れを保証します。

7/8鍵盤については、最初の15個のキーは強化されているので、重い低音のハンマーが加速している間に、捻じれるキーによってもたらされる力の損失はありません。

キーは切り取られる前に、それら木の木目が揃うように回されます。
カエデがより大きな強さのために使われます。

キーの後部は規定重量分取り除いて細くなり、そしてキーは、キーの前部に重りを加えて従来の方法で傾けられます。
元々の鍵盤と新しい鍵盤は大体同じ重さがあります。

*注釈:ピアノの部品*
[1] ハンマーシャンク:Hammer Shank
[2] ウィッペン:Wippen
[3] キャプスタン:Capstan
[4] バランスレールピン:Balance Rail Pin



『Upright Pianos』

チャールズR.ウォルター・アップライトピアノ

Walter-Piano-Web02_s

ウォルター・ピアノ社は、私達の鍵盤でアップライトピアノを造っています。
あなたは望むモデル、スタイル、および仕上げを選びます。
最初の低音鍵盤の正面のDSボタンは、鍵盤が大学で研究されている同じ7/8のサイズであることを保証しています。

ウォルターのアップライトピアノは、それらの豊かな音色と充実した低音によって名高いです。
合衆国では、ピアノを製造する会社が3社だけ残っています。スタインウェイメイスン&ハムリン、およびチャールズR.ウォルター
これらの会社はそれらのピアノの品質によって生き残りました。

私達は、最も安い全国的広告表示価格でピアノを提供しています。
これはウォルター・ピアノ社が公共の場での売り込みや宣伝(例えば、電話によるもの、掲示または書面にした広告、ウェブ上など)で、ディーラーが見積もるのを許す最も安い価格です。
また、価格はアメリカ大陸のいかなる場所への輸送を含んでいます。ピアノには、部品、材料、および技量における欠陥に対する12年間の完全保証書が付いてきます。

ここに表示されているスタイルは、黒檀光沢仕上げのウォルター・スタジオ・アップライトです。
最も安い全国的広告表示価格は、アメリカ大陸での輸送を含んでいる9,860米ドル(※)です。
仕様

日本円で980,379 円(4/24/2013 12:45am時点 1ドル 99.43 円)
現時点での価格 → 為替レート変換

ウォルター・ピアノのウェブサイト上の、他のピアノ・モデル、スタイルおよび仕上げを参照してください。
私達は、それらのピアノのどれのためにでも、7/8-DS規格鍵盤、または15/16-一般鍵盤を造ることができます。
私達に連絡してくだされば、あなたに興味を感じさせるものの最も安い全国的広告表示価格を見積りましょう。

チャールズR.ウォルター・アップライトの内部-それらがとても良い音で、とてもよくできている理由

長い弦: ウォルターのアップライトには、高さ51インチ(約129.5cm)未満の、市場に出ている他のピアノより長い弦があります。
大きな低音と豊かな音色のための長い弦を手に入れるために、5フィート10インチ(約177.8cm)のグランドピアノかそれ以上大きなものを買う必要があると思ったなら、あなたは、チャールズR.ウォルターアップライトピアノを試す必要があります。

大きな響板: ウォルターのアップライトの響板は、およそ2100平方インチ(約53.34㎡)の密で堅いトウヒ材です。
それは大部分の5フィート8インチ(約172.7cm)のグランドピアノの響板より大きいです。
長い弦と大きな堅いトウヒの響板は、ピアノの美しい音色のための2つの主要成分です。

滑らかなタッチと素早い反応: ウォルター・アップライトの「感触」は彼らの大きなスタジオサイズのアクションとそれらの慎重にバランスをとった特別に長いグランドピアノのようなキーからなっています。
ウォルターのアップライトピアノは、すべての種類のコンソールとスタジオ・ピアノで最も長いキー…16インチ(約40.6cm)以上を備えています。
鍵盤には、最もすばらしいグランドピアノのように個別に重みを加えられます。

100%の純粋な材木芯: あなたはウォルター・ピアノでは、どんな構造用パーティクルボード、チップボード、または段ボールも見つけることが無いでしょう。
それらの巨大な響板でさえ厚いトウヒ材です。そして、積層材ではなく、無垢材です。
これは、それらがとても良い音で、とても見事な外観である理由の1つです…生涯のために。
本物に満たない木材の何も受け入れないでください。

ウォルター・ピアノ・ウェブサイトから:
彼の家内企業で品質の重要性について解説するチャールズR・ウォルターからの書礼を読んでください。
ウォルター・アップライトに組み入れられる多くの独特な設計特微について、より詳細に学んでください。
すばらしい器具の解剖図を研究してください。



ピアノの部品や構造に関する言葉が色々と出てきて、なかなか翻訳が難しかったです。
もしかしたら、ピアノの構造や仕組みに関する部分の解釈が多少間違っているかもしれません。

今回読んでみた感想…「うん!高い!!」
あ、でもグランドピアノのお値段からすればこんなものなのかも…言わばピアノの中核の部分を造り変えるわけですからね。元のピアノに使われている部品を転用すれば3割くらい安く出来るみたいですが。

でもこれはあくまでも製品だけのお値段ですから、これにアメリカからの輸送料と取り付け費用が上乗せされたら…庶民には怖くて手が出しづらいですね

グランドピアノはどうやら元々アクション部分が取り出せるようになっているみたいですが、アップライトピアノだとやはりそうはいかないみたいですね。

しかし、あんなに大きなアメリカ合衆国でも生き残っているピアノメーカーが3社だけとは…日本も最盛期よりは減ってしまったとはいえ、まだ多い方なのかもしれません。

ウォルターのピアノがとても良質なピアノだということは分かりますが、やはりこちらもいいお値段ですね
YAMAHAやカワイのアップライトが高いものでこれくらいのお値段なので、ウォルターのアップライトが一番安くてこのお値段ということは、いかにYAMAHAやカワイのコストパフォーマンスが高いかということですね。円安傾向になってきていることを考えると、今後更に高くなっていくのでしょう。
ですが、こちらは(アメリカ大陸内では)輸送料込みで12年間の完全保証書が付いていますね。
それだとこのお値段でもお手頃価格になるのかな?

それにしても今回は、翻訳するにあたって、ピアノの部品や構造についても調べる必要がありました。
ピアノの構造についての詳細なサイトで、日本語のものを探してみましたが見つけられなかったので、英文のものですみません。ご興味のある方はどうぞ。

the piano deconstructed
The Construction of the Piano


にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

ピアノ ブログランキングへ
スポンサーサイト
04/15
What is your Hand Span?
ついでにSteinbuhler社のサイトの“Measuring Hand Span”も翻訳してみました。

ちなみに“Measuring Hand Span”内のHand Gaugeの寸法は、パソコンのディスプレイ上では合っていません。少し小さいです。
ご自分の手を正確に測定してみたい方は、印刷して寸法を合わせてからされることをお勧めします。
1インチ = 2.54cmですが、一番合わせやすい寸法で2インチ = 5.08cmですので、赤線の2目盛り分が5cmになるように拡大か縮小して頂けばだいたい正確な寸法になると思います。



『What is your Hand Span?』

このチャートの親指と小指とを張った長さのデータは、2004年のMTNA(Music Teachers National Association)全国大会で集められました。
規格と範囲の設立の議論に関しては、Our Researchを見てください。

HandSizeChart
(※大きい画像はこちらです)

定規を使用して、親指と小指とを張った長さを測定して、それが上記の図表の中に示す手と範囲にどのように匹敵するかを確かめてください。定規の上で単に手を延ばして、同様に以下の手の寸法に描写されるように、測定してください。

Hand Gauge
(※大きい画像はこちらです)

あなたの手のもう一つの面白い測定をするには、Hand Ratioを見てください。

キャロル・レオーネ博士には、7.8インチ(約19.8cm)の、女性の平均した親指と小指とを張った長さがあります。下記は、彼女がショパン・ト短調バラードで見つかる大きなコード(E7)を演奏する画像です。
上の写真は7/8鍵盤での彼女の手を表しています。そして、下の写真は従来の鍵盤での彼女の手を表しています。

7/8-DS規格鍵盤
Dr. Carol Leone _7/8-DS Standard Keyboard

従来の鍵盤
Dr. Carol Leone_Conventional Keyboard




にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

ピアノ ブログランキングへ
04/13
Steinbuhler社の記事 第2弾☆Part4
一昨日に引き続き、Steinbuhler社の記事翻訳です。
今回で“Our Research”の翻訳は終了となりますが、Steinbuhler社のサイト内にはまだまだ興味深い記事がありそうな気がします。

さて、今回は『Keyboard Size History』の翻訳文を掲載させて頂きます。



『Keyboard Size History』

酒井直隆氏は、ニューヨークのメトロポリタン美術館のコレクション、ウィーンの初期楽器のホーフブルク王宮コレクション、ウィーン工業博物館、そして、日本の浜松市の浜松市楽器博物館で見つけた75台の歴史上のピアノを測定しました。彼は、演奏者の医学上の問題の調査結果を発表しました[1]
私達には、全幅を88鍵の鍵盤と仮定して計算するための、ピアノ鍵盤サイズの以下の経歴があるので、スタインビューラーによるオクターブ(オクターブの計測を参照)の定義に一致させるために、彼のデータを変換しました。


●1720年のクリストフォリの鍵盤は、今日の通常鍵盤と同じサイズでした。

オクターブ : 6.5インチ or 165mm
全体幅   : 48.25インチ(約122.56cm)


●1784年から1825年の間は、鍵盤の大きさはいくらかより小さな幅でした。

最小 - オクターブ : 6.13インチ or 156mm
      全体幅   : 45.5インチ(約115.57cm)

平均 - オクターブ : 6.3インチ or 160mm
      全体幅   : 46.8インチ(約118.87cm)

最大 - オクターブ : 6.4インチ or 163mm
      全体幅   : 47.5インチ(約120.65cm)


●1826年から1875年の間、鍵盤はより大きくなっていて、今日の通常サイズで終わりました。


●1876年から2000年の間、鍵盤は今日の通常鍵盤と同じでした。

最小 - オクターブ : 6.46インチ or 164mm
      全体幅   : 48インチ(約121.92cm)

平均 - オクターブ : 6.5インチ or 165mm
      全体幅   : 48.25インチ(約122.56cm)

最大 - オクターブ : 6.54インチ or 166mm
      全体幅   : 48.5インチ(約123.19cm)


●注目すべき例外として、1920年代と1930年代に、ヨゼフ・ホフマンは、スタインウェイによって造られた7/8鍵盤で演奏していました。

オクターブ : 5.66インチ or 144mm
全体幅   : 42インチ(約106.68cm)


●スタインビューラー社鍵盤規格

子供 - 3/4-DS規格鍵盤
オクターブ : 5.11インチ or 129.9mm
全体幅   : 37.95インチ(約96.39cm)

小さい - 7/8-DS規格鍵盤
オクターブ : 5.54インチ or 140.7mm
全体幅   : 41.11インチ(約104.42cm)

一般的 - 15/16-DS規格鍵盤
オクターブ : 6インチ or 152.4mm
全体幅   : 44.54インチ(約113.13cm)

大きい - 従来の鍵盤
オクターブ : 6.5インチ or 165.1mm
全体幅   : 48.25インチ(約122.56cm)


モーツァルトベートーベンシューベルトショパンシューマンが、私達の現代の通常サイズより小さい鍵盤で素晴らしい作品の多くを作曲したことに注目すべきです。
なぜピアニストが、今日それらピアノを上演するのに小さな手で苦労するのかを、これで2倍理解出来るようになります。

従来の鍵盤が非常に大きい1つの理由は、19世紀に、ピアノメーカーが競争に勝つための激しい圧力でした。彼らは、より多くの弦と、より大きいハンマーでピアノを組立てることを意味する、より大きい音を持ったピアノを生産するように追い立てられました。
クリストフォリの最初の鍵盤は、今日のピアノのように同じサイズでしたが、彼の鍵盤に対する最初の態度は、より小さなものを造ることでした。その後、メーカーが市場占有率を求めて努力するとともに、19世紀には、モダンピアノの設計は進展し、再び鍵盤の幅を外側に押し広げました。
しかしながら、今日、非常に大きな音を備えたピアノを持ち、更に全ての手に人間工学的に適する鍵盤をそれらに取り付けることが可能です。

注釈
[1] 酒井直隆医学博士
   古い楽器の鍵盤幅、演奏者の医学上の問題、2008年12月



細幅鍵盤の研究に日本人が貢献していると嬉しくなりますね。
ショパンの使っていたピアノの鍵盤幅が、今のピアノの鍵盤幅より細かったという話はよく聞きますが、具体的にどれくらいの幅だったのかは殆ど知られていませんよね。
この測定結果を見る限りでは、ショパンのピアノの鍵盤幅は、C-H(ドからシまで)の長さが156mmから163mm間のどれかだったのかもしれません。
モーツァルト、ベートーベン、シューベルトに至っては、彼らが生きていた時期と、鍵盤の幅が全体的に細かった時代とがほぼ完全に重なっていますね。

文中に登場している酒井直隆氏については、あの「細幅鍵盤のススメ」の中でも紹介されています。
恐らく、あちこちの美術館や博物館で歴史上のピアノの測定をしたときのものと思われる論文が、翻訳文付きで掲載されているので紹介させて頂きます。

「細幅鍵盤のススメ」
研究者 酒井直隆先生による手の大きさと鍵盤幅についての文献


あともう1つ興味深かったのは、ヨゼフ・ホフマンが使っていた特注ピアノの鍵盤幅です。
細幅といってもほんの少しだけだと思っていたので、7/8鍵盤だったと聞いて、恐れ多くも親近感を感じてしまいました

ピアノの鍵盤が大きくなってしまった経緯は、大音量を実現するためのピアノの大型化に伴うものだったようですね。
ですが技術の進歩によって、大きなピアノでも鍵盤幅の小さな鍵盤を設置することが既に可能になっているわけですから、多くの優れた楽曲が生み出されていた時代のように、あらゆる人にとって弾きやすい鍵盤に再び戻すべきときなのではないでしょうか。

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

ピアノ ブログランキングへ
04/11
Steinbuhler社の記事 第2弾☆Part3
前回の記事の翻訳から、気が付けばもう4ヵ月以上も経ってしまいました
多忙だったのが少し落ち着いてきたので、ようやく次の翻訳作業に取り掛かれました。
前回がどんな内容だったか忘れてしまったという方も多いかとは思いますが(私もそうです)、翻訳がある程度終わったら、読み返しやすいようにまとめてみるつもりです。

それでは今回の翻訳は、“Our Research”の、『Discussion』の内容です。

今までの分もそうですが、今回の翻訳も、英語が得意でない私にとっては難関が多くて、所々おかしな文面になってしまいました
とりあえず内容の意味は伝わるかと思いますので、拙い訳文ではありますが、これもご愛嬌ということで…



『Discussion』

彼らが一旦「彼らの区間」に合ったサイズを使い始めると、鍵盤サイズの小さな変化が、ピアニストにとってあまり重要ではなかったと述べるのが面白かったです。
例えば、私達は(全体幅が)46.37インチ(117.78cm)の鍵盤を造りました。すると、平均的な手の男性はほとんど違いに気がつきませんが、小さな手のピアニストはすぐに軽減に気がつきます。
規格のための正確なサイズは、そんなに重要ではありませんでした。

私達は従来の鍵盤より大きい鍵盤を提案しましたが、ピアニストはそれを試すことを要求しませんでした。
大きい従来のサイズが既に存在しているという事実を考えると、すべての大人のピアニストの為の最適なサイズを殆ど提供しているという確信を、私達は感じます。
小さな子供に関しては、次いでもう一つ小さくした鍵盤を加えました。

大人達に焦点を合わせて手の親指と小指とを張った長さを、鍵盤サイズと関連づけている私達の観察の全てが以下の図にまとめられています。
指の太さと個人的な好みの違いを見込む、3つの重なり合うゾーンに鍵盤が分けられていることに注目してください。
何人かのピアニストがカスタムメイドの鍵盤を購入しましたが、これら3つの推奨規格より多くのものを無理に持つ必要はありません。
想像できるように、競争の場を公平にするのに最も必要なものは、7/8-DS規格鍵盤です。

HandSizeChart
(※大きい画像がこちらにあります)

このチャートの親指と小指とを張った長さのデータは、2004年のMTNA(Music Teachers National Association)全国大会で集められました。

私達が選んだサイズと名称には美点があります。

■オクターブを定義し、そして、ピアノでそれを測定するための非常に正確な方法を提供しました。
オクターブの計測を参照)現在のピアノの計測で、私達はそれらのオクターブが6.46インチ(約16.41cm)から6.54インチ(約16.61cm)までの小さな範囲で異なることが分かりました。そして、大部分のメーカーが、丁度6.5インチ(16.51cm)に非常に近いオクターブサイズに引き寄せられました。

■全てが同じ変化の割合なので、私達の鍵盤サイズ間のジャンプは快適です。
DS規格鍵盤比率を参照)15/16-DS規格鍵盤は、正確に6インチ(15.24cm)の1オクターブを持ちます。そして、中間のサイズであることは「一般的」と見なされます。

■ピアニストは、従来の鍵盤による7度音程の演奏は、7/8-DS規格鍵盤上ではオクターブのサイズを感じることができます。

■名称が15/16と、7/8と、3/4であると考えてください。
名称には、サイズ間の私たちの比率がありませんが、それらはほぼ実サイズです。そしてパターンに注目してください。
15/16は16/16より1つ少ないです。7/8は8/8より1つ少ないです。そして、3/4は4/4より1つ少ないです。また、4から8へ置き換えると、3/4は6/8になります。そして、1を加えると、7/8が出来ます。
同様に、8から16に置き換えると、7/8は14/16になります。そして、1を加えると、15/16が出来ます。
このすべてに美的に満足しています。

今日、ピアノの世界には、深い差別とひどい医学問題を引き起こしているフリーサイズ心理があります。
もしあなたが、どんなサイズの鍵盤を必要とするかについてピアニストに尋ねるなら、彼らはこのフリーサイズの世界で人生を過ごしたので、混乱し、分かりません。
ピアニストが、鍵盤サイズの全種類にどのように応じるかを見るという私達の経験のために、私達はこの素晴らしいセットの規格を提供できます。それはバイオリンの世界で、より小さな楽器を演奏しなければならないという不利無しで、様々なサイズを提供するという考えと似ています。
より小さな鍵盤は、すべての現代の有力なピアノに適合しました。
ピアニストの手のサイズにかかわらず、現代のピアノにおいて利用可能なパワー、容易さ、および芸術性は、今、彼女の手の届くところにあります。



ネットの世界でも、場所によっては細幅鍵盤を認めるべきか否かについての論争が起きたりしているくらい、現在のピアノの鍵盤幅に拘る風潮がありますが、そんな風潮を一喝してしまうような内容でしたね。

それにしても今回の内容で一番興味深かったのは、細幅鍵盤とは逆の発想、従来の鍵盤より大きい鍵盤を提案したという件でした。
細幅鍵盤の話題が出ると決まって引き合いに出される大きい鍵盤という考え方ですが、日本人よりも手の大きい人が多いはずのアメリカ人の中でも、更に大きい鍵盤を弾きたいという要望が出なかったというのはとても意外でした。

現在の鍵盤のサイズが、大柄な欧米人男性の手の大きさに合わせられたサイズだという説も、強ち間違いではないのかもしれませんね。

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

ピアノ ブログランキングへ
12/01
Steinbuhler社の記事 第2弾☆Part2
今日から12月。すっかり寒くなりました
皆さま、体調など崩されてはいないでしょうか。

どこかで必ず1度は山下達郎の「クリスマス・イブ」を耳にする季節になりましたね
クリスマスソングの定番と言えば、個人的には、洋楽ではMariah Carey:マライア・キャリーの「All I Want for Christmas Is You:恋人たちのクリスマス」か、Wham!:ワム!の「Last Christmas:ラスト・クリスマス」、邦楽ではB'zの「いつかのメリークリスマス」かな~と思っています。

その他にも、John Lennon & Yoko Ono:ジョン・レノン&オノ・ヨーコの「Happy Xmas (War Is Over):ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」や、Celine Dion:セリーヌ・ディオンの「Don't Save It All For Christmas Day:ドント・セイヴ・イット・オール・フォー・クリスマス・デイ」など、挙げたら切りがありませんが、クリスマスソングは好きな曲が多いですね~
これらの曲も、いつかピアノで弾けるようになりたいな~と思っています。

さて、前回に引き続きまして今回は、“Our Research”の『The Results』の内容を掲載させて頂きます。



『The Results』

鍵盤が小さくなり過ぎたのはいつでしょう。
1人のピアニストが私に言いました。彼女は「オスカー・ピーターソンのような楽々とした10度の演奏」をしたかったと。そして、これをするには、彼女が38インチ(約96.52cm)の鍵盤を必要とすると見込みました。
彼女は、彼女のためのそれらが狭苦しくなり過ぎたと発見するため、最も小さい鍵盤を試しにはるばる国を超えて飛んできました。

♯(シャープ)の幅、そして♯(シャープ)のトップの平らな所とそれらの間の幅に存在する妥協点という第二の考慮が常にありました。
いくらかの実験の後、私たちは、従来の鍵盤上で見つかった自然な♯(シャープ)の比率に近くしておくことが賢明であるとわかりました。

多数の手を測定して、成熟したピアニストで見つけたあらゆる手のサイズとそれらを比較して、意見を聞いて、どんなサイズの鍵盤が購入されたかを見ることで、私たちはすぐに適切な小さいサイズへと至りました。
手の親指と小指とを張った長さが7インチ(17.78cm)から8インチ(20.32cm)の範囲のピアニストにとって、誰もが10度を気持ちよく演奏したいように、42インチ(約106.68cm)の鍵盤より小さくなるのが望みでした。しかし、一旦それらが40インチ(約101.6cm)以下の鍵盤になったならば、♯(シャープ)の間の幅は、細い指で最も小さな手以外には、あまりにも狭くなりすぎました。
それは、たとえ10度が最も小さな手にはまだ手が届かない所だったとしても、41インチ(104.14cm)鍵盤が全体では最良の選択であったことが明確になりました。

1オクターブを1Cキーの左側から次のCキーの左側までの距離と定義して、現代の従来の鍵盤のオクターブのサイズは6.5インチ(16.51cm)(下記参照)です。
それから私たちは、より小さな鍵盤サイズを計算するために、48/52、または12/13であるDS規格鍵盤比率を使いました。
成人のピアニストのための2つのより小さな鍵盤に加えて、更に私たちは小さな子供のために3番目の、より小さいサイズを加えて、以下の規格(DS規格鍵盤比率を参照)を確立しました。

従来の鍵盤 - 大きいサイズ
オクターブ : 6.5インチ or 165.1mm
全 体 幅  : 48.25インチ(約122.56cm)

15/16 DS規格鍵盤 - 一般的なサイズ
オクターブ : 6インチ or 152.4mm
全 体 幅  : 44.54インチ(約113.13cm)

7/8 DS規格鍵盤 - 小さいサイズ
オクターブ : 5.54インチ or 140.7mm
全 体 幅  : 41.11インチ(約104.42cm)

3/4 DS規格鍵盤 - 子供サイズ
オクターブ : 5.11インチ or 129.9mm
全 体 幅  : 37.95インチ(約96.39cm



細幅鍵盤に対して必ずと言っていいほど誰もが持つ疑問の1つ、黒鍵とその隙間の幅はどうなるのかという問題。やっぱり出ましたね~。この問題についてはSteinbuhler社と言えども避けては通れない問題だったようで、これについても相当な紆余曲折があったようですね。

手の大きさも様々ですが、その形も様々。
指が細い人も居れば、太い人も居る。
親指が真っ直ぐな人も居れば、外側に反っている人も居る。
やはり全ての人の要求を全部叶えるというわけにはいかず、ある程度の妥協は必要なようですね。

ちなみにDS規格鍵盤比率で言うところの私の手に合いそうな幅は、C-H 140.7mmの小さいサイズというところでしょうか。
ですが私の指は細いので、もしかしたらC-H 129.9mmの子供サイズでもいけるかもそしたら10度の曲も弾けるようになるのかしらなんて思ったりもします。(実力は別として・・・)
こんなに具体的だと、何だか夢が膨らんでしまいますね~

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

ピアノ ブログランキングへ
Copyright © 2017 細幅鍵盤随想記|ピアノと鍵盤と、時々、戯言.
all rights reserved.